狂犬は眠らない (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 14-1)

3.70
  • (5)
  • (10)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 62
レビュー : 12
制作 : 三川 基好 
anton509さん 海外の小説   読み終わった 

グループで事に当たる。そのメンバーが個性豊かに描き出され、エピソードも豊富・・という類の小説は好みなので、本書はつぼ。

かつては有能なスパイだった主人公たちを押しつぶすこととなった出来事も詳細に語られるが、その悲惨なこと。行き当たりばったりの道行きや、メンバー同士の軽口のたたき合いがユーモラスであるだけに、その悲惨さがいっそう際立つ。
踏みにじられた多くの人生と、“世界の警察”たらんとする国家のあり方を考えずにはいられない。

満員電車のなかでゼインが恐怖症を克服しようとするシーンとラッセルの告白シーンは感動的。いつでも話を聞くぜ、という仲間同士の気遣いもいい。

黒幕の発見があまりに偶然であることと、その正体にはちょっと拍子抜けするけれど、最後にニヤリとできて楽しい。

冒頭でわずかに登場するだけなのに、狂気と正常さの交じり具合がとても印象的だったマルカム。これは『コンドルの六日間』も読んでみなければ・・という気にさせられる。


   Mad Dogs by James Grady

レビュー投稿日
2009年7月5日
読了日
2009年7月5日
本棚登録日
2009年7月5日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『狂犬は眠らない (ハヤカワ・ミステリ文庫...』のレビューをもっとみる

『狂犬は眠らない (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 14-1)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする