犯罪に手を染めてしまった人たちの物語。ジャンル的にはミステリと言えるかもしれないけれど。「あの人が犯人だったのか!」という驚きとは無縁。そして犯人は決して特殊な人というわけでもなく。いったい何があって、どのように犯行に走ってしまったか、の物語は、重くも悲しい雰囲気に満ち溢れています。もちろん本人に責任がないわけではないのだけれど。それでもやりきれない感がひしひしと襲い来る印象でした。
お気に入りは「曼珠姫午睡」。この本の中でもっとも第三者目線から語られている物語なのですが、逆に犯罪そのものを身近に感じられた気もしました。犯罪者と言っても特別な人間ではなく、一歩踏み外せばそちらの境界を越えてしまうのかも、という危うさを感じさせられます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2016年12月22日
- 読了日 : 2016年12月22日
- 本棚登録日 : 2016年12月22日
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