怪談集。テーマはさまざまな美女鬼女妖女が登場する「女怪の館」と、不思議な術が横溢する「妖術の館」。短めの物語が多いですが、読みごたえはたっぷりです。そして、明確に怪異の正体が語られないだけに恐ろしい印象の物語も多かったような。
お気に入りは「女の怪異」。これは珍しく怪異の正体がきっちりと明かされていて、しかもそれで笑いに変わってしまう、という作品なのですが。よくよく考えてみると、本当に怪異はなかったんだろうか……? と思えてしまうところもほんの少し怖かったりもしました。
「花の咲く比」はタイトルが美しいし、物語の仕立ても美しい……けれどやはり恐ろしいなあ。「赤い花」も一見ロマンチックに見えたけれど、やっぱりそうなるのか。そして想像で補うしかない因果の物語がまた恐ろしい。
再読だけれど「竈の中の顔」、やはり何度読んでもこのラストが凄すぎますね。唐突すぎて怖い!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ホラー
- 感想投稿日 : 2022年6月26日
- 読了日 : 2022年6月26日
- 本棚登録日 : 2022年6月26日
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