神様のカルテ

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本棚登録 : 8658
レビュー : 1592
著者 :
aochan15さん  未設定  読み終わった 

実際に、地方病院で働いていたお医者さんが書いた本。

本の形としては「小説」だけれども、実際の過酷な医療現場を体験している人が書いた文章なので、真剣に受け止めるべき内容。

かといって重々し過ぎない文体なので、誰でも読みやすい。

医者不足の日本で、特にこの問題が深刻な地方では、一人のお医者さんが睡眠もとらずにひたすら患者の診察・治療をする場面が多く存在する。
想像し難くはないと思うが、睡眠不足と疲労で意識が朦朧とするお医者さんに「完璧な」医療を望むのは、正直酷な話のようにも思える。
医者だって人間。神様ではない。
そんな状態を放置しておいたら、患者のリスクが高まることも、言わずもがなである。

今や、お医者さんは病気を治して当たり前。
ひとつミスを犯すと、たちまち医者は「犯罪人」として扱われる。

この作品は、医師不足からくる過酷な勤務現場にスポットを当てつつ、それでも地方の医療に尽くそうとする一人の医者の温かな物語である。

終末期医療・孤独死などについても考えさせられる。

最後におばあさんが主人公に宛てた手紙部分では、思わず涙してしまった。

今、日本が抱える「医療崩壊」の問題をわかりやすく物語として描いている。それでいて、クスッと笑ってしまうような場面が所々散りばめられていたり、人情味溢れる印象的な登場人物によって、全体的に柔らかい作風となっている。

これが現代医療の現状なのだということをこの作品を通して、多くの人の心に届いたことだと思う。

レビュー投稿日
2011年10月16日
読了日
2011年10月12日
本棚登録日
2011年6月3日
2
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『神様のカルテ』のレビューへのコメント

猫丸(nyancomaru)さん (2013年7月4日)

「医師不足からくる過酷な勤務現場」
どうしたら解消出来るんでしょうね、、、

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