しゃばけシリーズ。

相も変わらず淡々と読めるシリーズですが、これはもうストーリーの問題ではなく、若だんなのキャラクター故ではないかと。

妖怪と人間の時間の違いが、これまでになく鮮明になった話だったなあと思うのですが、愛情炸裂の兄やたちは若だんなが死んだら放浪の旅にでも出るんでしょうか…。
ちょっとラストでしんみりしてしまった。

2012年3月24日

不思議な空気が漂う本でした。

連作短編形式で、読みやすい。
死んだ友人の父親の家の住み込み管理を頼まれた、売れない三文文士の不思議日常物語(身もフタもない)。

きっと、主人公の彼はあの家に住む限り、一生嫁が来ないんだろうなあと思いました。
庭木と友人の亡霊で、彼の人生は完結するような。

2010年5月4日

梗概の「先祖伝来のぬか床の世話をすることになり」に、思い切り「?」となりましたが、本気でぬか床の話でした(爆)。

しかし、さすが梨木さん! とゆー話。
ものっそい説明がむつかしい話だと思うので、気になった方は読んでください(そんな)。

アラサー世代の女としては、「出てきた」女の言葉がぐっさりきました。ほっといてくれ。
久美じゃなくても、捨ててやろうかと思う人はきっといるよ! と、物語の本筋とは思い切り外したところに共感しました。

2010年5月4日

祖母の記憶と孫の現在が交互に絡まりあって、読んでいる側の善悪の在処を問う…というと大層ですが、人間って後悔するから人間なのかしらね、と思いました。

とは言うものの、最後に生き残ったエンゼルフィッシュは、三枚に下ろして一夜干にしてしまえと思った人間なので、情緒は欠けていると思われます。
おばあちゃんの記憶部分、旧かなでおっとり雅な雰囲気で好きだなあ。

2012年3月17日

梨木さんの小説の中では、あまり好きになれなかった話。
主人公と自分に重なる部分が多すぎて、ちょっと辛かった。

私にも、おばあちゃんみたいな魔女修行をしてくれる人がいたらなあと考えてしまう。

だからこそ、最後のメッセージで泣いてしまった。

2012年3月17日

火村スキーとしては、子どもと先生の掛け合いに満足。

ミステリ読みとしては、金返せと思った本。

どうしたって動機が浅い。
そんなもんで、こんなめんどくさい殺人事件起こされたらミステリを娯楽にできんわ。

数百円のために他人に危害を加える人間がいる世の中ですが、だからこそフィクションの世界では、その辺練ってよ、と思う。

2012年3月12日

火村スキーが読めばいい本です。

ミステリの質としては…有栖川スキーが読めばいいと思う。

火村スキーなので満足。

2012年3月12日

パリの中世美術館所蔵のタピストリー「貴婦人と一角獣」がいかにして作り上げられていったか…というフィクション。

この物語、タピストリーの注文主である貴族の奥方やその娘、制作を依頼された工房の娘など、何人かの女性の視点で描かれているのですが(男性視点の部分もあるが何故か印象が薄い)、おっそろしいことに、誰ひとりとして感情移入できる登場人物がいなかったとゆー。
唯一、比較的好感が持てたのが工房の目が見えない娘であるアリエノールだけども、オチが、な。

ニコルと貴族の馬鹿娘(失礼)は最後にちょっと溜飲が下がったけども、後味は悪かったなあ。

歴史背景やタピストリーの制作過程の描写なんかはとても面白かったので、残念。
ついでに、装丁が悪いのも残念。

2012年3月10日

森作品一作目。
まず、萌絵ちゃんのキャラに度肝を抜かれた覚えが。しかし、犀川先生のほうが変人だと思い知るのに時間はかからなかった。
ミステリのトリック自体を云々する前に、ハイテクな背景を理解できませなんだ。ミステリをタイムラグなしで読み返したのは、後にも先にも、この話だけだったよーな気が。星の数が少ないのは、四季さんが好きじゃないからです。ええ。それだけ。

2007年8月24日

このシリーズでは、一番好きなトリックです。何つーか、素人にもわかりやすい(爆)。
あとは、犀川先生にも、人並みの感情があったんだとわかってホッとした(失礼)。
ミステリの中で、「凶器がわからない」「殺害トリックがわからない」ってーのは醍醐味だと思うんですが、それを最後にほっぽり出してるのも凄い(褒めてるのか)。

2007年8月24日

Vシリーズ一作目。未だに、紅子さんの正体がよーわからん私ですが、シリーズ終わって、そーいえば一番得体が知れんのは保呂草だったと思い至る。不可解なミステリが多い(失礼)な森氏にしては、ある意味正道なミステリなんでは、と思います。

2007年6月24日

王になった陽子を含む女の子三人組の話。人間、生きるのって大変だなあと思ったり。でも、三人が三人なりに成長してくのが面白い。有能な女官をゲットした陽子が、これから慶国をどう発展させていくか、楽しみです。続き、出ないけどさ...。

2007年6月24日

イエスの血を与えられたヴァンパイア(なのか?)の話。シリーズ通して、割りと宗教に触れてるかと思えばそんなこともなく。ある意味で宗教に寛大な日本ならではのお話とゆー気もします。
いい意味でも、悪い意味でも、宗教なんて一個人の前では瑣末なもんなんだよと思わせられる話。思わせてくれるのが、龍と透子さん。怪奇ものっぽい雰囲気もありますが、濃厚なおどろおどろしさはありません。

2007年8月24日

イタリア三部作の2作目(だったと思う)。超絶男前に、(ヴェネツィアの)銀座のど真ん中でプロポーズされてみたくはありませんが、強まってくる恋愛模様が微妙に楽しい。シリーズ中、一番の男前は間違いなく透子さんだと思いますが、一番のタラシは絶対に龍だと信じて疑わない。
イエスの血を得て、二千年を生きる龍と透子が最終的にどんな道を選ぶのか、楽しみです。...実のところ、極東の島国からヴァチカンに大喧嘩売ってる話だけども。

2007年8月24日

「奇形故の美」という言葉が頭に浮かぶ話。
でも、結局異端はどこまでも異端なんだと叩き付けられる話でもあると思う。
地上に堕ちた天使は、所詮異形であり、異物でしかないという話(救いがない...)。いや、ミステリなんですけどね。

2007年6月22日

旗師・冬狐堂シリーズ。

人間の死と古物にまつわるミステリ。

表題の「緋友禅」がミステリとしては一番好みだったけれど、人間の情念の深さにぞっとするのは「陶鬼」。

2012年3月17日

香菜里屋シリーズ最終巻。

工藤の手料理が見られなくなると思うと寂しいです。
シリーズ既刊を読みながら、こんな店があったら常連になるのになあと思っていたので。

最終話は、「蓮丈那智」と「冬狐堂」を読んでいればより楽しめるかと。むしろ読んでないとイマイチピンと来ないかも。

他のシリーズのように、北森先生がお亡くなりになったことでもう続きが読めないんだと思うことがないのが、ちょっぴり救いです。

2012年3月11日

あまりに有名なサイコミステリ。次作「ハンニバル」のスターリングのオチを考えると、何とも言えないもんがありますが。基本、不可能を可能にする男が好きなので、レクター博士好き。
子どもの頃に映画を見ましたが、情操教育にいいとは言えない(言ったら人格疑われる)ものでしたが、あれ見て原作読もうと思った自分は、結構人格破綻者なんか。何にしても、最近のなんちゃってサイコミステリとは比べ物にもならない名作かと思われます。

2007年9月11日

名門女子校の生徒3人の群像劇…?

三浦氏だとゆー先入観があったにも関わらず、思春期特有のベタベタした少女らしさはさほど感じられず安心。
それぞれに黒かったり薄暗かったり生々しかったり、事情は抱えているものの。

冷静に考えてみると、結構過激なお嬢さんもいるよーな気もしますが、それはそれかな。
少女とゆー生き物に幻想を抱いている男性諸氏に読んでほしいような、欲しくないような、微妙さがおもしろみなのかもしれない。

2012年2月22日

映画を見てから原作を読んだクチなので、映画のほうが好きなひとです。
その影響で、かなりルート視点な読み方をしましたが。
彼はきっと、博士から良い愛情をたくさんもらったんだろうなあ。

2007年6月22日

どんな本? と訊かれたら、切ない本と答えます。

いろんな「切ない」が詰まった話だと思いました。
それが「悲しい」にならないのは、主人公がリトルアリョーヒンからでしょうが、最後もあまりに彼らしくて、読んでいる間、終始泣いていましたが、号泣しました。

大概の本は何回も読み返しますが、これは一度読んだきり、一度も読み返せていません。

2012年2月19日

土方主人公の新撰組。某少年マンガと少女マンガのおかげで、一番好きな隊士は斉藤一とゆー私ですが、これは素直に土方カッコいいと思った。ラストが少々切ない気もしますが、彼らの末路を思えば、どんなもんでも悲しくなる。ついでに隠れたツボは山南さん(何)。

2007年6月26日

新撰組コバナシ(違)。映画「御法度」の原作も収録されていたり、割りと知られた一般説を取り入れて書いたのかなと思える題材を扱っていて、取っ付きやすい。「新撰組」という大枠ではなく、隊士ひとりひとりに焦点を当てているので、お気に入りのひとりを見つけるのもいいかもしれない。

2007年6月26日

長寿シリーズ第一弾。
やっぱり、この手のものは初期の作品のほうがクオリティが高い気がする。
アメリカの検死制度がわかりやすくて面白い。
そして、スカーペッタが結構アラもあるのに、とても魅力的な女性。いや、単純にインテリが好きなだけですが。

2007年6月24日

ツイートする