舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)

著者 :
  • 岩波書店 (1981年1月16日発売)
3.36
  • (19)
  • (42)
  • (122)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 702
感想 : 55
4

20年ぶりくらいに読んでみた。若かった当時よりは文語体への抵抗も少なくなり、味わって読めた。

それにしても、岩波版では「舞姫」はほんの28ページのみ。その凝縮された文量で、100年先まで名を轟かすことの凄まじさよなぁ…。すでにストーリーが分かっているとはいえ、ドイツの凍える冬の色彩が目に見えるかのよう。豊太郎が選んだ結論だけを見れば「酷い」で終わってしまうかも知れないが、明治の日本の世情や、現代とは全く違う立身出世にかける想いなどを踏まえて感情移入して読むと、エリスと豊太郎、それぞれの苦悩が胸に迫る。

舞姫以外の話も圧倒的な悲恋ストーリー。現代語訳でも何でもよいので、若い人には多感な時期のうちに読んでおいてもらいたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年5月5日
読了日 : 2019年5月5日
本棚登録日 : 2019年5月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする