海賊とよばれた男 上

4.25
  • (1793)
  • (1468)
  • (570)
  • (88)
  • (23)
本棚登録 : 10321
レビュー : 1156
著者 :
ありんこゆういちさん  未設定  読み終わった 

友愛と努力の話かと思いきや、多分に狂気を持った経営者の一代記だったとは・・・。上巻を読んだだけでも、実際に存在した経営者を基にした、史実に近い小説であるとは到底信じられない内容です。戦前から戦後に掛けての日本の経済や政治の流れを太い幹として、その幹を激しく行き来する田岡商店をはじめとする石油商たち。その石油の世界の中で異端児である田岡は、他の石油商社から憎しみの的になるくらいに突出した存在であり、社員たちを自分の体の一部と思うほどに愛情を注いでいます。
狂気と言ったのは、人間として王道を歩んでいるようで有りながら、ビジネスとしては綱渡りを選び、社員に多大な犠牲を強いてでも国の為と突き進んで行く所です。普通に考えたらとてもついていけないのですが、田岡氏のカリスマ性で人心を鷲掴みにしていきます。
この小説をビジネス書のひとつとして読む向きもあるようですが、僕から言わせると「正気か!目を覚ませ!」と言いたくなります。
田岡商店の歩む道に出てくる数々の障害はほぼ同業者からの妨害で、それを数々の知略と人脈と運で次々乗り越えていくのですが、こんな物凄い経営者じゃ参考にならないでしょう。戦国武将を参考に会社経営するのとほぼ変わらないと思います。
あと、この話を日本の誇りと思うのも如何なものかと思います。あくまでこの田岡氏が異常に傑出しているだけで、正直民族の誇りにはなりえないし、そもそも足引っ張っているのも日本人ばかりなのですから。まさに田岡商店無双であって、それ以外ではないです。
それにしてもなんて引き込まれる物語なのでしょうか。読んでいるうちに日本人の魂的な所に火がつくのを感じますね。前述したのとは矛盾しますが。
さすが伊達に禿げてないな百田尚樹。下巻にさらに期待。

レビュー投稿日
2018年4月19日
読了日
2018年4月18日
本棚登録日
2018年4月19日
4
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『海賊とよばれた男 上』のレビューをもっとみる

『海賊とよばれた男 上』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする