香港デモ戦記 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2020年5月15日発売)
3.76
  • (6)
  • (14)
  • (12)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 183
感想 : 19

香港という存在は、僕にとってはやはり映画でしょうか。ジャッキーチェンを始めとする香港の映画はとても面白かった。アクションが痛快で夢中になって見ていました。
子供の頃、国の違い何て大した違いとは思っていなかったので、中国はなんて面白い映画を作る人たちなんだろうと思っていました。
授業では教わっていたものの大して気にも掛けていなかったので、1997年の香港返還のニュースが流れるまで、香港が英国領であったことすら忘れていました。
民主主義で育った人々が監視社会である中国に取り込まれた時にどうなるのだろうと思っていましたが、一国二制度という方針になって50年は元の状態が保たれる事になりました。
50年後なんて遠い未来の話のようでしたが、2047年には完全に中国本国に完全に取り込まれることになります。
既に今自由が失われつつ有り、中国本国からの土地の買占めなどで住宅事情も悪化して、自分たちの土地で有るのに高すぎて手が出ないという状況に陥っています。移住者もどんどん増え、体制自体が中国と同化する方向に向かっている事で、既にして中国の思うがまま香港が変貌しています。
そんな中若者が悲壮な決意でデモを繰り返し、民主主義を守る為戦っています。
この本は、そんな学生含む若者の素の姿を描いています。日本ではきっと60年代安保の時の姿と被るのかもしれませんが、彼らにとっては真実自分たちの未来を守る戦いです。
あとわずか27年後には完全に民主主義が消え、社会主義の監視体制の中生きて行く事になる。これは自分たちに置き換えると本当に耐えがたいし、やりきれない事です。当然文化も消える事になるでしょう。本も映画も国にお伺を立てて許されたものだけになる事でしょう。
デモに参加した事が分かるだけでも将来に影響が出るし、へたをすると連行されたまま帰って来られないなどの事も考えられます。出版社の人たちが軒並み失踪するなど不可解な事件も起こっているそうです。そんな非常に恐ろしい状態で戦い続ける彼らの精神力は物凄い・・・。
これからの香港の情勢にも注目していきたいと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年12月14日
読了日 : 2020年12月12日
本棚登録日 : 2020年12月12日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする