内容(「BOOK」データベースより)
失踪した老人は、葛飾区青戸七丁目在住の有村礼次郎、八十四歳、出身は鹿児島県。現在の場所で暮らすようになったのは二十年ほど前のことで、近所の不動産屋の話では、家と土地は即金で購入したという。それなら金回りはいいはずで、古びた家屋は建て直すものと思っていたら、たまに修繕をしながら住み続け、車を持つでもなく、家具調度に贅沢をするでもなく、世間によくいる侘びしい独居老人の暮らし向きを続けていたらしい―特殊班捜査係が動く。
とてもとても好きな作家さんなので期待しています。この本も☆2とかとても悩みました。本当は3でもいいかなと思ったのですが、僕の思う基準値には達していなかったと言わざるを得ません。
あらすじから序盤の展開から名作の匂いしかしませんでした。ハラハラの展開や人と人の心の交流。壮大な謎も盛り込まれてとても頑張っていると思う。でも色々盛り込めばいい作品になるのかという話になれば否と言わざるを得ません。
スリリングな方向に舵を切るのであれば冗長だし、人間ドラマとして読むとしたら登場人物があまりにも書割のようで血が通った感じがしない。感動する方向へ誘導されているのが分かると、人って感動出来ないと思うんですね。小説は感動が最大のテーマって訳ではないのですから。
あと、全体的に物わかりのいい、善人タイプの登場人物がが多すぎる。これは笹本稜平さん自体がいい人なんだろうなと前から思っていました。ここは僕にとっては美点なので無くさないで欲しいし・・・。悩ましい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年10月23日
- 読了日 : 2018年10月22日
- 本棚登録日 : 2018年10月22日
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