育てられない母親たち (祥伝社新書)

  • 祥伝社 (2020年2月1日発売)
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本棚登録 : 391
感想 : 34

題名そのままの内容の本です。石井光太さんの本はどれもこれも人間を掘っていくような本が殆どですが、これは負の連鎖をとても感じる一冊でした。
虐待や育児放置によって心や体に傷を負い、その先の人生も上手く行かず虐待の連鎖を発生させてしまう女性たち。どうしても当事者だけを責めたくなってしまいますが、石井氏の冷静な筆致で描かれると、社会全体としてどうするべきなのかと考えざるを得ません。
何も罪のない子供たちが被害に遭う事は、孫の姿を見ていると悲しくて涙が出てきます。守られるべき存在が、虐待、放置、搾取の対象になるという事が本当に辛いです。
いつの時代も変わらず一定数いるし、完全に防ぐ事は難しいかもしれませんが、子供たちを保護している機関の人々には頭が下がります。
保護の遅れなどで亡くなった時に批判にさらされますが、部外者の我々には分からない苦労が山のようにあるはずです。言うだけなら誰でも出来ます。
世の中の子供たちが心安らかに眠れますように。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月3日
読了日 : 2021年12月2日
本棚登録日 : 2021年12月2日

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