はじめての構造主義 (講談社現代新書)

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本棚登録 : 2026
レビュー : 212
著者 :
ばんばんばんさん  未設定  読み終わった 

だましだましなのは承知の上。でもこうした知的な本、初めて最後まで納得しながら読めた。
「●●入門」にありがちな全然入門じゃない難解な本にとは違い、本当に必要な部分だけをわかりやすく。
ありがたい。

さて、「構造主義」は高校の倫理で課題がでたので言葉だけ覚えている。
倫理はいつも6限だったのですべて睡眠時間。
なんの意味もわからず適当なものを提出した記憶がある。
もったいない。

自分の言葉でうまく説明できないけど、学問の新しい比較方法論。
人間社会はある方向へ進化しているわけではない。
対立する要素の組み合わせ(この枠組み=構造なのだろうか)の中で動いているだけなんじゃないか、という理解をした。
気付かないうちにとらわれていた見方から抜け出し、根底にある枠組みの存在を明らかにしていくと、新しい発見がいっぱい出てくる。
結果として、「西欧中心」のものの考え方からの脱却につながる。

レヴィストロースが研究していた文化人類学をはじめ、言語学、数学や、はたまた神話の世界まで、まさに思考の構造変化を生みだす。
レヴィストロースの第一歩は、以下の南米に住む原住民の研究。
「未開」とされた彼らの近親相姦のルールは、どう考えても不可解で根拠がない。
でも「親族間の女性交換」という見方をすると、きわめて合理的な仕組みを持っていることに気付く。
しかもその中には高度な数学の考え方が内包されていて、「時代の先を行く」西欧人は衝撃を受けた。
レヴィストロースは、人間社会は「女性・物財・言語」の交換システムだ、と考え、その構造を解き明かそうと、なぜか世界の神話研究に没頭する。

後半の幾何学の話がおもしろかった。
遠近法から思考(枠組み)の限界がどんどん広がっていく様は目が醒める。

本を読んだ2日後、仕事中の会話の中で、ふと構造主義的な視点がふとひらめいた。
と、いうことは自分の考え方を広げるきっかけになったということ。

やっぱ学生時代は勉強すべきだったなあ。
まあ、本に書いてあることはほとんど1970年以前のことなのだが。
なんて、2012年から40年前を見下ろす考え方が、すでにとらわれているのだ。

レビュー投稿日
2012年1月27日
読了日
2012年1月27日
本棚登録日
2012年1月27日
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