アホー鳥が行く: 静と理恵子の血みどろ絵日誌 (角川文庫 い 39-6)

  • KADOKAWA (2004年5月25日発売)
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本棚登録 : 54
感想 : 6
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「この組み合わせがすでにギャンブルだった」と後に言わしめるほどのエッセイ集の第一弾。無頼派作家と無頼派漫画家のギャンブルエッセイです。この人はいつ仕事をしてるんだろうか?と考えてしまいました。

「とりあえず、うどんくれ。とりあえず、愚鈍なれ」

最初のほうで書かれているこの言葉でもうやられました。僕が伊集院静の本にであったのが、札幌で漂泊の日々を送っていたときのことで、現在に至るまでにずいぶんと影響を受けております。内容は麻雀。競輪。競馬…。と全編ギャンブルの話まみれでそれ以外のことを見つけるのが逆に難しいものになっております。しかし、ギャンブル場という「全身全霊」を「賭ける」場所で数々の修羅場をくぐり、おそらく億単位の現金をばら撒いた果てにつづられていく人生哲学は、白川道先生同様、気品とある種の風格に溢れているのは何故なのでしょう?

もちろん、一般の人間が伊集院先生のマネをすると、確実に破滅への片道切符が待っているということはいうまでもありません。僕は以前、仕事の関係で立川競輪場の周辺にいたことがあるのですが、そこの界隈にある飲み屋を見て
「ああ、ここで伊集院先生もしょっぱいお酒を飲んだんだなぁ」
なんて思っていました。そして、ここに収録されている西原理恵子との麻雀対決と対談には在りし日の鴨志田穣さんも参加されていて、当時をしのばせるものがございます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年7月17日
読了日 : 2011年7月17日
本棚登録日 : 2010年11月5日

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