フラガール 3.11 つながる絆

著者 :
  • 講談社 (2011年11月5日発売)
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感想 : 17
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本書は映画『フラガール』で一躍有名になった福島県いわき市の「スパリゾートハワイアンズ」が、3・11の大震災から204日間の休業を経て営業再開に至るまでの道のりを描く感動のドキュメントです。

僕が『フラガール』の存在を知ったのは蒼井優ちゃんがヒロインを勤める例の映画からでした。ミーハーといわれればそれまでですが、初代フラガールの彼女たちが炭鉱の閉山に伴う故郷の衰退にフラで立ち向かっていったの同じようにかつて『常磐ハワイアンセンター』と呼ばれた施設も『スパリゾートハワイアンズ』と変わり、フラガールといわれた踊り子たちも難題も世代を変えた現在であの3・11の東日本大震災が起こり、同時に福島第一原子力発電所の破局的な事故が起こり、存続の危機に陥った『スパリゾートハワイアンズ』ならびに『フラガール』たちの204日間の休業を経て営業再開に至るまでの道のりを描くドキュメントが記されているのが本書です。

3・11のその日から被災した客のためにスタッフが文字通り懸命になって動いていたということや、引退を決めていたフラのリーダーが下した決断、さらには平成23年5月から『日本中に笑顔、元気、希望をお見せします!」』という言葉ともに全国に旅立ったフラガールたちの全国124ヵ所におよんだ「フラガール全国きずなキャラバン」の舞台裏などが描かれていて、地域のために必死になって最高に取り組む彼女たちの姿が胸を打ちました。

僕はまだ彼女たちのダンスを生で見てみたことはありませんが、華やかなダンスの裏にこういうものが潜んでいるのだという観点から見てみると、また違って見えるのかも知れません。福島県では現在でも『風評被害』が続いているのだそうで、それに対する会社側の取り組みに関しても『企業努力』という言葉では片付けられないものを感じました。いつか、彼女たちのフラを生で見るためにも彼女たちやスタッフに負けないでがんばっていこう。月並みではありますが読み終えた後にそういうものを感じさせるものでありました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年3月19日
読了日 : 2012年3月19日
本棚登録日 : 2012年3月19日

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