『日本中の居酒屋を飲み歩くという志を、ひとたび立てたからには後には引けぬ―。』世の奥様方がこの決意を聞いたら眦を決しそうですが、行く先々で酒を飲み現地の人と語らす姿には羨ましささえ感じます。
少し前に吉田類さんとこの人の本を読んで以来、ずっとこの人の書く居酒屋の世界に魅了され続けております。居間でこそ僕はほぼまったくといっていいほど酒を飲まなくなりましたが、新宿の『ションベン横丁』や歌舞伎町で気の置けない人たちと日の高いころから飲み明かしていたことを読んでいていやおうなく思い出させてくれます。ここに掲載されている酒の肴の中では、タラの精巣を使った味噌汁がうまそうでしたね。
あれには独特のコクがあって、濃厚なうまみがするんですよ。この本の中で作者は行く先々で酒を飲んでは店で働いている人や地元の酒飲みたちと交流をしているんですよね。僕はそういうところを読んでいて、あぁ、こういうのってやっぱりいいよなぁって、つくづくそう思います。
これを書いている今現在は冬も真っ盛りなので、熱燗が恋しくなる今日このごろです。またいつ、僕が夜の酒場に出没できるかはまだわかりませんが、この本を読んでいると、居酒屋でまた酒が飲みたくなります。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年8月6日
- 読了日 : 2011年8月6日
- 本棚登録日 : 2010年11月6日
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