阿修羅ガール (新潮文庫)

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本棚登録 : 2912
レビュー : 489
著者 :
シャキーン!さん 2010   読み終わった 

なんだか、インパクトのある小説。冒頭から女子高生愛子のインモラルな独白にギョッとさせられます。これがいまどきの女子高生の等身大なのかと思うと子を持つ親は穏やかではないですね。いきなりグッチ裕三が出てきたりハリウッド映画のキャラクラーが出てきたり、やたらチープな演出は女子高生の考え方や経験の範囲をリアルに描写しようとしているかららしい。客観的な視点で物語を描くというより、女子高生から殺人鬼まで当事者目線で物語を進行させていくので低俗で稚拙で不愉快な表現がすごく多くて読むに耐えない人も多いんじゃないかと思う。文体の触れ幅がとても大きくて極端に感じます。表現は飾らない分直截的で過激だけど、それをメタ的な視点から哲学的に解釈しようとする視点があるので、全て必要だからやってることだろう。2chの無責任な書込みとか神戸の連続児童殺傷事件とか、現代が抱える病的な側面もなぞりながら、それら全てを「仏」の心で許そうとするアプローチとか、理解の範囲を超えたものもあったりして、面白いんだけどとらえどころがない。
そもそも駄作として切り捨てられずに、三島由紀夫賞を受賞したり芥川賞候補になったりして文学性を評価されていることに驚きを隠せない。現代文学の世界てここまでリベラルで許容範囲が広いのかと。

レビュー投稿日
2010年8月29日
読了日
2010年8月29日
本棚登録日
2010年8月29日
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