風に吹かれて (扶桑社ミステリー)

  • 扶桑社 (1992年12月30日発売)
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まるで『クリスマス・キャロル』にでも出てきそうな意地悪な老人が悔い改めることもなくただ破滅へと至る道筋、けれども読後の印象は不思議にやさしい「風に吹かれて」
滑稽とも感嘆とも言い難い不可思議な余韻を残す、たった9ページの物語「頭のなかで小説を書いた男」
超常現象、心霊体験、空想話、どうとでもご自由に“「これがそうなのですよ!」”「島へ」

あたりのお話が好きでした。人が死んだり殺されたりの話が多いものの、あまりミステリーの匂いはなく。「ネットワーク」のじわじわ外堀を埋めていくような善意とかいやですね。なんだか金井美恵子の小説に登場する不躾な人々を思い出しました。人間関係ってこういうとこが嫌い、という作者の声が聞こえてきそうな作品集。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本_海外
感想投稿日 : 2012年2月13日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年2月10日

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