“死のことを語るときに誰しもが考えるあの忌わしい恐怖は、寝室にはなかった。(…)それは人の悲しみのもつ微妙な、ほとんど捕えがたいほどの美しさだった。それがわかり、それが描き出せるようになるのは容易なことではない、わずかに音楽だけがそれを伝えられるような気のするあの美しさだった”

2014年9月20日

久慈光久先生の短編漫画を読もうと思って気づいたらエマの同人誌を読んでいた。どういうことだ!もっと読みたい!

2014年1月20日

“彼の​自伝の中に​女性に対する関​心が少しも​見えないこと、その代りに​無暗にご馳​走の話が出て、それが​又実にうまそうに​書いてあることなども、​彼の風変りな性​格を示すものだが​、もっと変なのは、ある時期に、​彼が少年時代から​あこがれていた山​の向うのもうひとつの世界、​人間界とは違った​別の世界に遊んだということであ​る。つまり、一種​の狂気に陥ったの​である。”
(― 江戸​川乱歩「マッケン​の事」)

ラヴクラフトの文章を仮に読みやすくすっきり仕上げたらアーサー・マッケンになるのかも、と「黒い石印のはなし」を読んで思いました。気を引く導入と徐々に立ち上がる不穏な世界、しかし事象の後に原因が提示されるクリアな読み心地のため、かえって陽のもとで恐怖が色褪せるのを眺めるような、物足りなさと味気なさを覚えたのでした。乱歩が言っていた「実にうまそうに書いてあるご馳走」は今回の短編集には出てこなかったので、他の作品も読んでみます。

収録作品一覧
黒い石印のはなし/白い粉薬のはなし/輝く金字塔

2013年12月26日

“われわれはどんなふうになるべきなのか、私にはわからない。運がつくことが大切だ。私はここのところ見放されている。それに太陽がだいぶ近づいてきている。人生は、見かけ通り醜いが、あと三、四日生きるには値する。なんとかやれそうだと思わないか?”

“「なあベルフォード、ヘンリーと呼んでくれ」
「ぼくもヘンリーなんです」と彼は答えた。
「そうだったな。忘れてたよ」
われわれはそこで待った。私は酒を飲んだ。
「バスがきました、ヘンリー!」
「わかった、ヘンリー!」
われわれはバスに向かって走った……。”

“(……ポーカーフェイスの下に異常な繊細さが隠れている……)”

アルコールとスラング混じりの無駄話、セックス、行き当たりばったりな馬鹿騒ぎを繰り返しながら、ラスト一文の静謐さにやられる。ギリギリのところにいながら破滅に向かわない精神。死ぬまでは生きるという言葉が浮かぶ。うおお、かっこいい。

2013年11月10日

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