ワーグマン日本素描集 (岩波文庫 青 559-1)

制作 : 清水勲 
  • 岩波書店 (1987年7月16日発売)
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感想 : 8
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3年前期『総合美術理論』第1回講義参考文献。
2015.4.12 am11:15 読了。
ビゴーの前に活躍していた画家ワーグマン。
幕末から明治にかけての日本の様子を精緻に描く。1861年7月5日、宿泊していた東禅寺に水戸浪士が乱入した際、縁側の下に隠れてその様子を観察し描いた。シュリーマンにしてもワーグマンにしても、ひるむことなく観察を続ける姿に本当に頭が下がる。
彼の絵はどれも人々の表情や動きが写実的に描かれており、当時の人々が偲ばれる。
風刺画のコメントも洒落があってくすりと笑える。
また、正月に老若男女入り混じって楽しげに遊んでいた人々が印象的だった(p.128)
この素描集は、教科書や文献資料からではわからない当時の人々の姿をありありと浮かびあがらせていると思う。同時代のほかの外国人の記録を参照して、もっと複眼的に当時の人々の姿を捉えたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年4月12日
読了日 : 2015年4月12日
本棚登録日 : 2015年4月12日

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