歌詠みの女性の恋物語。
と、タイトルだけで想像して読み始めたが、
予想外に、壮大な物語であった。
幕末、維新の時代の流れの中で翻弄され、
その中でも、人を想う心を強く、大切にし、
しっかりと生き抜いた、だからこそ
歌に想いをこめられた主人公、登世。
登世が恋いこがれる以徳さまもさることながら
爺や、てつ、登場人物が皆、それぞれに
何かを教えてくれる魅力的な人物。
愛する夫への歌に、三十一文字の世界に
もっとふくらみを持たせたいと
歌にとりくむことになった登世。
さまざまな心の在り方が美しく、強く、
読み終えたときに、とても大きなふくらみをもつ
恋歌に包まれていた感動が胸にひろがった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年7月28日
- 読了日 : 2016年7月28日
- 本棚登録日 : 2016年7月28日
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