遺留品 (講談社文庫)

3.43
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本棚登録 : 838
レビュー : 52
制作 : 相原 真理子 
ashisasさん 推理小説(外国作家)   読み終わった 

検屍官ケイ・スカーペッタもの、三作目。このシリーズは作品ごとに当時の最新の犯罪捜査方法が取り入れられているのが特徴です。それを駆使しつつ、主人公であるケイの行動力や推理力、直感が合わさって犯人を追い詰めていく展開はいつもスリリングで読み応えがあります。この作品あたりで既に、これ以降の作品でも活躍する人物たちはほとんど出てきています。

この作者、コアなキャラクターを結構さらっと死なせます。この作品でも、ある重要なキャラクターが死んでしまいます。
主要キャラはそうそう死なないだろうという、フィクション世界の常識みたいなものを簡単にひっくり返してくれるという意味では面白いんですが、後の作品を読み進めるにつれ、「あの時に死んだあのキャラが生きていたら、こんな風に活躍してくれたんじゃないのかな」と思ってしまうこともあります。重要な役割を担う人を作品世界から落としてしまいながらも、その後のシリーズを続けていけるというところに、この作者の創作力の高さが伺えます。

実際の世界でも、人はあまりにもアッサリと死ぬことがあります。その人物がいなくなっても世界は続いていくということ、その人物がいない喪失感や虚脱感を抱えながら他の登場人物たちが生きていくということ、そこにこの作品群のリアリティがあり、その点がこの作品群に一定の評価を与えている所以なのではないかと感じます。

レビュー投稿日
2016年12月31日
読了日
2016年12月7日
本棚登録日
2016年12月31日
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