エンド・ハウス殺人事件 (新潮文庫)

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感想 : 11
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ポワロものには、ホームズものでいうところのワトソンのような役割を演じる者として、恐らく当時の典型的なイギリス紳士の性質をすべて持ち合わせているのであろう、ヘイスティングズ大尉という人物がいます。しかし、クリスティはドイルほどこの「語り部」を必要としなかったらしく、ヘイスティングズが登場しない作品も多々あります。

この作品は、このヘイスティングズがしっかり登場し、しかもポワロの推理にとって非常に重要な言葉を口にしてくれています。ポワロは、いくつかの作品の中でヘイスティングズのこの「重要なことを、本人も意図せずに表現する天才」を評価していますが、著者であるクリスティとしても、読者にさりげなく大ヒントを示してくれるヘイスティングズの力にずいぶん助けられたのでしょう。

さてこの作品。決して有名ではないと思われますが、クリスティならではの人物描写や伏線のちりばめ方が素晴らしい。犯人が分からなかったとしても、読了後の満足感は高いと思われます。この作品でも、クリスティの他のいくつかの作品と同様、カギを握るのは登場人物の名前です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 推理小説(外国作家)
感想投稿日 : 2016年7月6日
読了日 : 2016年6月15日
本棚登録日 : 2016年7月6日

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