ごようのかたは ざんねんでした

仕事の多忙を言い訳に、2ヶ月ほど読書をサボっていた自分を恥じるところから始めたいと思います。でも、久しぶりに読んだ小説がこの一冊で本当に良かった。
こういうのを人間賛歌と言っていいんだろうか。安定と信頼の西さんの小説ってことですぐさま手に取ったけど、タイトルの通り愛に溢れた物語だった。生まれてきてくれたこと、ただそれだけの事実に無償の感謝を捧げるという人が本来持っている優しさをどうしても表現したくてたまらなくて、それを全身全霊で言葉にしたのがこの作品なんだと思う。サラバ!を読み終えた時にも感じたけど、自分には受け止めきれないくらいの大きなパワーに押し潰されるような気持ちになった。さながら元気玉で潰される魔神ブウのような。
内戦とか紛争とか、自分はそれでも大人かよってくらい世界情勢に疎くて、テレビやネットでニュースが目に入ってくる度に「うーん…」とは思うもののそれは悲しいかな他人事でしかなくて、「胸が痛くなる」と形容されるような出来事が地球の裏側で起こったとしても、食事中に思いっきり唇を噛んで出来た口内炎の方をきっと痛がってしまう。「貧困や戦争といった世界の悲劇を心の底から悲しいと思うのなら行動すればいい。そうじゃないなら本気じゃないってことだ」って、自分の中でよく折り合いをつけながら生きてる。生きてしまっている。でも、そういう0か100かで割り切れる考え方だけじゃないんだよってことを言ってもらえたような気がしたというか……。
ラストシーンの疾走感、サビに向けて盛り上がっていく音楽を聴いているようで心が揺さぶられました。ありがとうございました。

2020年2月4日

読書状況 読み終わった [2020年2月4日]
カテゴリ 小説

僕は厨二という概念にあまり馴染みのない学生時代を送ってきたのです。(或いはそれらしい行為を未だに痛いと認識していない)そのせいもあってか、この作品に出てくる厨二の魅力に取り憑かれた奴等が少し羨ましく思えてしまった。
あとはこの……なんだろ、ラノベなんだけど主人公に嫌悪感を抱く事無く読み進められたのが良かった。絶妙なバランス

2012年1月21日

読書状況 読み終わった [2012年1月21日]
カテゴリ ライトノベル

作者名を伏せられてこの小説を読んだら、自分は恐らく「西さんの作品だ」って思えなかったと思う。これまでに何冊か読んできて、何となく西さんの作風というか、好みの文体とか表現とか、それを分かってるようなつもりになってたけど、その出発点から立ちのぼる香りまでは嗅ぎ分けられなかった…笑
西さんの作品全部読んだわけじゃないからあれだけど、これは西さんが一番「女性」を書いた作品なんじゃないだろうかと思った。正直な話、「あおい」と「空心町深夜2時」は、内容については楽しめても共感は出来ない類のものなんだけど、登場人物が人として興味深いので、「コイツらと色んな話してみたい」と思わせられたのはやっぱり西さんの筆力なんだろうなーと。
個人的には「サムのこと」が一番好きです。こういう奴いるよな、こういう人間関係あるよな、と思いながら読み進めた。自分はサムみたいな人間を徹底的に邪険に扱ってしまうタイプなので、読み終えた後に一番心に響いたかも。
あと、「本ま」が気になったんですよ。自分は生まれも育ちも関東だから「ホンマ」って片仮名で書くのが自然なのかなって感覚なんだけど、「ほん」は漢字で「ま」は平仮名ってどういう事!?って。いつか本人に尋ねてみたいっす。

2018年4月14日

読書状況 読み終わった [2018年4月14日]
カテゴリ 小説

「青春をテーマにした小説を書きたいのなら、青春がテーマになってる本をたくさん読まなきゃダメですよ」って会社の後輩にぐうの音も出ない正論をぶつけられたその日にそれっぽい表紙の本をひたすら買い漁ってやった。ざまーみろ。その内の一冊。
厭世的な主人公にモヤモヤする内容ではあるものの、ラストはちゃんとほっこりとする着陸の仕方をしていて、読後感は良かったです。
この本を読んでいる間ずっと、文章描写をどこまで丁寧にするのがいいのか、その力加減について考えてた。薄いと伝わんないけど濃すぎても伝わらない。料理の味付けみたいなもんだよなって。あとサボテン、俺も高校の頃育ててたんだけど……あいつ元気かな、まだ実家で生きてるかな……。

2019年3月24日

読書状況 読み終わった [2019年3月24日]

アメトーークの本好き芸人でオススメされてたので読んでみた。最近の本しか読まない自分×独特の文体という組み合わせで最初は読み進めるのに苦労したけど、ちょっとエロい話になった途端すらすらとページをめくることが出来た正直者。
物語というよりは……なんていうんだこういうの。文学? 全く手をつけてこなかったタイプの作品なだけにジャンル分けすら出来ない悲しみ。舌噛んで死んじゃいたい。
でも読み進めていくうちに共感を覚える文章がちらほらと出てきて。「足の親指を負傷したり受験が中止になったりしたついてないとある男子の一日」って認識が、「そんな男子と一緒になって、自分達はどう生きるべきなんだろうね」なんて事を考えさせられるようなものになってた。気付いたら薫くんと友達感覚になってたり、自然と親しみが湧いてたり。そんな作品。

2015年6月24日

読書状況 読み終わった [2015年6月24日]
カテゴリ 小説

殺人罪を犯した人の独房に置いておくべき一冊……というと聞こえは悪いかもしれないけれど、めちゃくちゃ誉めてます。
この人の作品は以前も読んだことがあったけど、読者に対して善悪を問いかける力が尋常じゃないので、頭の弱い自分だと「なんか物凄いものを読んだな…!!」ぐらいの感想しか絞り出せない悲しみ。疲れてるから、という言い訳をさせてくれ。
弱さゆえに誰かの命を奪ってしまった人は、残りの人生をどう生きるべきなのか。そもそも生きることが正しいのかどうか。その答えが気になる人は是非。

2018年3月19日

読書状況 読み終わった [2018年3月19日]
カテゴリ 小説

育てているので読んだ。
因みに先週枯れた

読書状況 読み終わった
カテゴリ 小説

久しぶりに素敵な読後感を味わえた。一言で「思春期」とまとめるのは簡単だけど、島に住む中学3年生ならではの悩みや葛藤、素敵な景色に彩られたキラキラ輝く瑞々しい日々がやわらかく綴られていて、とても良かった。いつか必ず訪れてみたいと思うような風景描写も好き。
作中に出てくる二人に比べたら自分なんてファンでもなんでもないけど、それでも知ってる歌詞が出てきたときにふと口ずさんでしまうのはご愛嬌。きーみがむーねを焦がすーからー

2016年10月29日

読書状況 読み終わった [2016年10月29日]
カテゴリ 小説

いのちは食べることと密接に繋がっている。なんてことを意識させられるような短編の数々。人の生死が少なからず話に絡んでくるのが7作中6作だったので、つい。
この人の作品は初めてだけど、夜に読んじゃダメだ……お腹空いた。

2016年9月2日

読書状況 読み終わった [2016年9月2日]
カテゴリ 小説

自分はこの作品を、古き良きライトノベルとして分類したい。自分が好きなライトノベルって、まさにこういうやつのことを言うんです……。
ヨーロッパにとある架空の国があり、そこを舞台に出会った少年少女の行動がやがて政治や戦争といった国家間の問題と絡み合っていく冒険物語。当時のムーブメントだったのか、自分の頭の中には常に「カリオストロの城」とか「天空の城ラピュタ」のような時代の雰囲気が漂っていた。
あっと驚く展開や、登場人物が交わす心の交流、そして終始巧みな文章で綴られていく物語に惹かれて、これぞまさしく大冒険!とか思ってたらあっという間に読み終わってしまった。最近、自分は通勤を含む電車での移動中に読書をするようにしてるんだけど、こういう面白い本は家に帰ってからも読み進めちゃうからダメだよ……役割を果たしてくれよ……。

2019年10月14日

読書状況 読み終わった [2019年10月14日]
カテゴリ ライトノベル

あさのあつこの名前だけ見て買ってみたら道尾秀介もついて来てて得した気分になりました。
この中で名前を知っているのは、上の二人に加えて村山由佳ぐらいなのですが、やっぱりあさのあつこと村山由佳は凄いなと。全然本読まない俺が名前知ってるだけあるなと。
文章が読みやすいというか、すんなりと頭に入ってくるんですよ。それは単に他の人達の作品をスラスラと読むだけの頭が俺に無いってだけなのかもしれないんですが、それにしても溶け込んでくるなと。それでいて深みのある香りとコクが上質のアロマタクティクス。
道尾秀介さんはやっぱ他の人とは違うというか、俺が好みなのもあるんでしょうけど良かったです。なーんてあれこれ褒めておいてなんですが、一番好きなのは本多孝好の「エースナンバー」です。何でかってそりゃソフトボールが題材だったので感情移入がこの感想クソ長ぇえええええええ!!!

2012年7月14日

読書状況 読み終わった [2012年7月14日]
カテゴリ 小説

当たり前なのかもしれないけど、エッセイって筆者の人となりがしっかりと汲み取れるから、その人と触れ合っている感覚が楽しかったりする。よっぽどそりが合わない人でもない限りは必然的に親しみを覚えちゃう。とはいえ、これ読んだだけで仲良くなった気分にすらなってしまうのはどうかと思うけど(笑

筋肉少女帯聴いてみたけど、機械がめちゃくちゃカッコいい!

2015年10月31日

読書状況 読み終わった [2015年10月31日]
カテゴリ その他

してやられたよ。完敗だよ。
ちょっくら本屋でも襲ってうわなにを

読書状況 読み終わった
カテゴリ 小説

眠らない真夜中の街で確かに存在する影と、いずれ訪れる(もしくは訪れた)明け方の光、という一連の流れが美しい。圧倒的かつ濃厚な深夜の雰囲気がたまらない。本を読んでるだけなのに、徹夜で街を徘徊した気分が味わえた。
好きなバンドに同じ名前の曲があるから、という適当な理由で買ってきたわけだけど、読んでみたら最後の最後、世界が目覚めようとしてる辺りの雰囲気が「或る街の群青」にぴったりすぎて素敵な偶然。

2015年12月7日

読書状況 読み終わった [2015年12月7日]
カテゴリ 小説

帯に書いてあるとおり、なるほどいつもの伊坂さんとはひと味違う。個人的には、悪い方にブレの範囲内。
野球が題材になってるって事で興味を持ったんですが、ちょっと求めていたものと違ったかなと。

2012年9月10日

読書状況 読み終わった [2012年9月10日]
カテゴリ 小説

友達に勧められたので読んでみた。自分からは手に取らないジャンルの小説で、この作家さんとの相性が悪かったので今後も読むことはない……と思う。
ストーカー行為と家庭内の虐待、というシリアスな内容を描いている割に文章は平易で、良く言えば読みやすく、悪く言えば味わいがない。一人称で進むんだけどただただ事実を書き連ねている感じが強いので、三人称の方が良かったのでは……。
主人公が観賞魚店を営んでるんだけど、魚の描写が執拗すぎて、そこに文章を割きすぎるあまり、見識のある人からのツッコミを必死に避けようとしているように見えてしまう。熱帯魚が後半の展開に大きく影響を及ぼすとかならまだしも、ただ知識を披露されるだけなので「いや、それはもう分かったからさ……」となってしまって……。
一番気になったのはどこかちぐはぐなリアリティと、人物造形の弱さ。「暴力夫の家に忍び込んで初恋の相手を見守る」って、結構大きめの嘘だと思うんです。現実的に考えれば絶対にバレるし、妻の方が薄々気付いているなら、潔癖症っぽく書かれている夫が気付かないわけがないよなぁと。なので、その大きな嘘をこの物語の一番面白いところとして採用しているのだから、それ以外の部分はリアリティの担保に努めてほしかったというのが自分の感想。それに付随するイメージなのかもしれないけど、人間造形については、3人とも一貫した人間としての書かれ方がされてないように感じてしまった。食に全く興味が無いと描写されていた主人公が夫婦の食卓に並んだ料理について触れてしまっていたり、世間体をもの凄く気にする夫として書かれている割に、簡単に顔殴ったり……(会社の同僚や自分の両親に会わせる機会を想定するなら徹底して服の下のみを痛めつけるべきでは)
これもある種の純愛、みたいなテーマ自体は嫌いじゃないです。でもまあ、これで主人公の容姿がもの凄く醜いものだったとしても、同じ結末になったかなぁとは思ってしまう。最後までこれといって予想を裏切る展開もなかったので、評価は低め。とか書いちゃって平気かな……この作者の人、めっちゃエゴサしてそうなんだよな。まあいいか。

2019年9月24日

読書状況 読み終わった [2019年9月24日]
カテゴリ 小説

スマホゲーに関わることになって、ディレクター業を任されることになったので同僚の人に貸してもらった。
シナリオの部分でゲーム作りにそれとなく力添えをしてきた立場ではあれど、ゲームというものがどんな風に、どんな形で、どんな仕組みで作られているのかってのは深く考えたことがなかったので参考になった。
最後の方は完全に人間としての力を鍛えるためにどうすればいいかってことが書いてあるんだけど、ゲーム作りに限らず、作品を創るって行為は必ず人と人とが交わらなければ成り立たないものだから、とっても大事なことなんですよね。その辺を自覚し始めたころにこれを読んだから、そうそう!って思いながらページめくりました。安藤さんとはいつか話してみたいものです。

2018年4月18日

読書状況 読み終わった [2018年4月18日]
カテゴリ 教本

数時間で一気に読破してしもた。
「あったかい」作品とはまさにこれらのこと

読書状況 読み終わった
カテゴリ 小説

小学生の頃、教科書に載ってた顔を見て「えらく渋いオッサンだな…」という印象が強かったので顔と名前だけは覚えている安部公房。職場の友達に勧められたので読んでみたんですが、なるほど面白い。
慣れないうちは文章が読みづらかったし、好みかと聞かれると違いますってなっちゃうんだけど、内容の深さに否が応でも魅了されてしまう感じ。個人的には鉛の卵と鍵が好き。もう何冊か読んでみよう。

2018年5月20日

読書状況 読み終わった [2018年5月20日]
カテゴリ 小説

まだ若い頃にドラマが話題になったから、この名前だけはずっと頭に残ってた、から今回手に取ってみた。

淡々とした語り口で進むから、とてもスムーズにページをめくれた。計算ゆえの文体だろうから凄いの一言。しかも、主人公のマコトが書いている、という体で物語が綴られていくけど、最初から最後にかけて段々と表現が豊かになっていったりしているのも、マコトが書くことに「慣れていく過程」を意図して表現しているのだとしたら感心しちゃう……もしかしたら、ただ単に石田衣良自身がコツを掴んできただけなのかもしれないけど。
都会の豊かさとか危うさとかいろいろはらんでる独特な雰囲気が個人的に好きだから、終始街並みを想像することで退屈はしなかった。これをラノベにしたのがデュラララ!!なんだろうなーって思うとちょっとワクワクする。

2016年11月10日

読書状況 読み終わった [2016年11月10日]
カテゴリ 小説

遊びに行った友人宅の本棚に並んでいて、勧められたので購入。最初の話のインパクトが強いせいか、それ以降がちょっと物足りないような気も……でも、本のタイトル通りどこか嫌な読後感が残る作品が揃っている。こういう雰囲気の文章に興味や面白みを感じることはあれど、自分が好みなのは読後感の良いものなんだなと再認識した笑
「チャメトラ」と「オリエンテーション」が好みで、野球が好きな自分にとって一番最後の物語だけは楽しみ方が変わってしまった。余談だけど、チームのメンバー全員が入れ替わっても、ファンはその球団を応援するのか?って疑問はダウンタウンの松本人志が言ってたって聞いたことがあるけど、もしかしてこれを読んだことがあるんだろうか。

2019年2月7日

読書状況 読み終わった [2019年2月7日]
カテゴリ 小説

この小説を両親に見られたらいけないものだと認識して、本棚の奥に隠しながら何度も何度も読み返すような少年自体を送っていたとしたら、自分はどんな大人になっていたんだろうか。
名前は聞いたことあっても読んだことない本を読んでみようシリーズ。表題作「伊豆の踊子」には、今の言葉でいう美少女がどうしようもなく魅力的に踊っていて、川端康成の作品がこれほど上品かつエロティックに「女性性」を書いているとは露ほども知らなかった。
伊豆の踊子は当然として温泉宿も面白かったけど、最後の禽獣もかなり強烈で。「どんな愛玩動物でも見ればほしくなる性質だが、そういう浮気心は結局薄情に等しい」という一節で、見たことない作品でも見た目が好みだったらとりあえずフィギュアとか買っちゃう過去の自分を思い出してしまった。二次元美少女に対して博愛を気取ってた頃。
読書を重ねる上で避けては通れない文学というジャンル。文学作品って一般小説に比べてどうも馴染めない印象があったけど、この本のお陰で人の奥底に潜む複雑な人間性に踏み込んだ文章に共感を覚えた、と同時に少し親しみが湧いた。自殺を図った場所が実家の近くなのも勝手に親近感ポイントなので、もう何冊か読んでみようか。

2019年10月23日

読書状況 読み終わった [2019年10月23日]
カテゴリ 小説

作者二人の体験談を交えた面白おかしい男女観を居酒屋で聞いているような、自分も混ざって意見を言ったりしたくなるような一冊。なるほどなーとか、それなー、とか、そんな言葉が口からこぼれそうになりながら最後まで楽しく読んだけど、これの評価をどうしようかと考えて4ではなく3にしたのは、自分の恋愛に対する興味そのものの表れなんだろうな。読み終えて一番印象に残ってるのも、フレーズ機能で引用した文章だし…はて、どっかに良い人いませんかねぇ…

2018年7月1日

読書状況 読み終わった [2018年7月1日]
カテゴリ その他
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