午後の曳航 (新潮文庫)

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本棚登録 : 1572
レビュー : 177
著者 :
aswさん  未設定  読み終わった 

私にとっては初・三島由紀夫だった。さすがだな~という感想。
三島氏自身はエリート育ちなのに、よくこういう小説を書けるなと思う。少ない登場人物の心理描写が鋭く光っている。
物語は、主人公の少年とその母、母の恋人で船乗りの男がメインで、少年の仲間たちも影響する。少年はある日、壁の穴から母の新しい恋人と母との情事を覗き見てしまう。少年は船オタクで、航海に強い憧れがあった。3人の視点から次々に映し出される心もようが鮮やかである。
よくこの手の格調高い小説には、理解不能な比喩や、文字面を眺めても頭に入ってこない表現も散見されるが、三島の本にはそれがなく、美しい文章でありながら、ストレートに響く。それがまた複雑で矛盾しつつも容赦ないのに、病みつきになってしまうのである。
とても面白かった。三島の他の本もぜひ読みたい。

レビュー投稿日
2017年7月18日
読了日
2017年7月18日
本棚登録日
2017年7月18日
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