この土の器をも―道ありき第二部 結婚編 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1981年8月27日発売)
3.77
  • (44)
  • (50)
  • (75)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 542
感想 : 43
5

三浦綾子の自伝3部作の2作目、結婚編。第一部「道ありき」も三浦綾子氏を囲む人々の心の美しさに感動したが、本篇は病気が治り結婚してから「氷点」が入賞するまでの記録で、夫婦の在り方を考えさせられる。
三浦光世氏の、キリスト教に根差した、綾子氏に対する深い愛情に心が洗われる。人間って(少なくとも自分は)もっと汚いものだと思っていたが、本来ここまで美しいものなのか。支えあい、補い合える人に出会い、努力しながらも幸せいっぱいな姿、日々の健康に感謝する姿勢が感動的である。
個人的に印象に残ったのはこの部分。「子供をもうけることだけが結婚の目的だとは、わたしたちは考えていなかった。二人がお互いの人格を尊敬し合いながら、子供のいない夫婦はそれなりに、この世に果たすべき使命があると思っていた。」
愛を受け取るだけでは幸せになれないのかなと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年11月19日
読了日 : 2012年12月31日
本棚登録日 : 2014年11月19日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする