
自然写真家の星野道夫氏による、アラスカの生活や文化に関するエッセイ。
「旅をする木」が有名が星野氏は、90年代に仕事中にヒグマに襲われて亡くなっている。
日本人によるアラスカ本はあまりないので、人類学的には貴重なのではないか。中でも、原住民のエスキモーたちの、伝統的な生活様式について詳しく書かれている。年中、カリブーと呼ばれる大型のシカのような動物の狩りをして、自然のなかで暮らしているようだ。アラスカには壮大なマッキンリーもある。アメリカ政府が、アラスカに原子力研究所を作ろうとしたり、土地の所有権を西洋的に決めようとするたびに、原住民たちは自分たちの意見を表明してきた。
著者は大学卒業後アラスカに移り住み、そこで十数年現地の人に交じって暮らした。民族意識が強い地域に、よく受け入れられたと思う。
アラスカのことはあまり知らなかったので、現地のいろいろな人生の話をへぇ~と思いながら読んだ。インディアン文化に興味がある人には面白いはず。
- レビュー投稿日
- 2017年7月14日
- 読了日
- 2017年7月14日
- 本棚登録日
- 2017年7月14日
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