消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

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本棚登録 : 1307
レビュー : 206
著者 :
aswさん  未設定  読み終わった 

強烈な本だった。休暇に持って行こうと思って手に取ったら、ページをめくる手が止まらず、あっという間に読み終わってしまった。
あまりにも残虐な事件だったため、一部報道規制がしかれたという、北九州連続監禁殺人事件。なんとなく知ってはいたが、恐ろしくて、詳しく調べる気にならなかった。サイコパス関連の書籍を読み、本書も読んでみることにした。松永という支配的な男に虐待で反抗心を奪われ、子どもを含む家族同士で殺し合いや遺体の処理をさせられ、殺人の被害者が7人に及んだ事件。たまたま逃走した少女が保護されて、発覚したという。
DVという言葉が一般的になる少し前の事件だが、電気ショックを与え、食事、睡眠、排せつの自由を奪うことにより、被害者たちの感情や判断能力はなくなっていく。一方、松永は指示をするだけで、自らは手を下さないのだ。詐欺の常習犯でもある彼は、魅力的な外見と巧みな話術で、男女問わず次々とターゲットにしていく。
本書では、裁判の行方も焦点になった。殺人の実行役で内縁の妻、緒方に責任はあるのか。緒方自身も、20年にわたる虐待を受け、反抗することができなくなっていた。一審で死刑判決が出たが、精神科医の鑑定が控訴審の法廷で証言として取り上げられ、裁判ですべてを話した緒方に情状酌量が認められるのか。
日本でほんの十数年前に起こったことが信じがたい事件である。「凶悪」に次ぐトラウマ案件だが、事件の全体像を知ることができてよかった。

レビュー投稿日
2019年2月4日
読了日
2019年2月4日
本棚登録日
2019年2月4日
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