夜のピクニック(新潮文庫)

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本棚登録 : 170
レビュー : 16
著者 :
モリエンテスさん  未設定  読み終わった 

特殊な関係にある男女高校生の物語。異母きょうだいということで、お互いに接触を避けて高校生活を送っていたが、一部の感の鋭い同級生たちには2人が似た性格であることを指摘されつつも、お互いの関係は公になっていません。そんな中、高校最後のイベントである歩行祭を迎えることになります。
融が彼女を避けてきたのは、周りに特殊な環境を知られたくないわけではなく、彼女と比較したときに自分の劣等感が露わになってしまったことが要因のようです。彼女のほうは生まれた時からマイナスに位置していたと自覚することで、周りを気にすることなく寛容な性格が育まれていったようです。
お互いが知らないままに過ごしてきたにも関わらず、なんとなくお互いのことが分かってしまうのは、意識しすぎているせいで逆にわかってしまうのか、それとも特殊な環境で育ったという共通点が2人にも共通認識を生み出してきたのか。
小説らしく2人がお互いの存在を認めるところで綺麗に物語は終わっていますが、それは終わりではなく、一生断ち切ることのできない関係が今後続いていくという過酷な道のりの始まりでもあるというのが、他人を認めることの大変さを物語っているようにも感じました。

レビュー投稿日
2019年8月20日
読了日
2019年8月16日
本棚登録日
2019年8月19日
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