自分の中では、もっとも好きなSF「ガタカ」の監督・アンドリュー・ニコル作品。
「ガタカ」は劇場公開時よりも、後でジワジワ人気になったのに対し、
この作品は比較的いろんな所でロードショーしていたので彼の作品の中では一番興行的に成功したのではないだろうか。
進化した未来。人類は25歳までしか生きられず、25歳から生きるには通貨とした「寿命」を買い取らないと生きられない。
世界には、諭吉も、1ドル紙幣も、10000ギルも存在しない。
すべての取引は、「時間」を交換することで成立する。
まさに「Time is Money」どころか「Money is Time」の世界。(あれ、どっちでもよいか)
発想はミヒャエル・エンデの傑作「モモ」からなのかな??
遺伝子操作によって生まれたときに寿命がわかる「ガタカ」と設定は似ているなぁ、と思った。
「人生が決められて産まれてくる」悲しい未来の世界。
そこには、華やかな未来などはなく、
「時間を持ちすぎて死にたくても死ねない」大富豪と、
「今日1日命をつなげるために」労働をする下級階級。
世の中は少数の大富豪のために下級階級が苦労する。 アレ、どっかの世界とあまり変わりない?
寿命が1日の気分について問われると「時間を有効に使える」と言う。
「有効」どころか、みんな自分の寿命ばっかを気にして生きているに過ぎない。
今の日本がスマホを睨み付けながら生活している気持ちわるい環境と似ている。
この世界では25歳で「人生」としては既に終わっているのだ。
結局ストーリー的には普通のアクションものの気がする。
よもや「時間の銀行強盗」をやって追いかけっこしたりするのは
自分にとってはどうでもよい話であった。
そういう意味でドラマ性でも映像的にも音楽的にも、
ほぼ伝説的とも言える「ガタカ」と比べると、ちょっとお粗末。
収穫はヒロインのアマンダ・セイフライドがキュートだね。
この25歳しかいない(成長がとまる)世界で無機質なお人形のような存在。
でも一瞬のラヴシーンを見るに、体は無機質な感じではなく、意外とグラマラス。
他の作品チェックしてみよっと!
- 感想投稿日 : 2013年6月23日
- 読了日 : 2013年6月17日
- 本棚登録日 : 2013年6月17日
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