ナラタージュ (角川文庫)

3.66
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本棚登録 : 4465
レビュー : 602
著者 :
ayakanekoさん repeat book   読み終わった 

なんでかわからないけど、
とにかくこの本はだいすき。
島本理生は”文章を楽しむ“ということに気づかせてくれたひとで、大体すきだけど、最初の出会いだったこの本はやっぱり特別。


静かだけど激しさを持った文章のなかに、核心をついた台詞がいきなり出てきて、これでもかってくらいせつなくなる。

一番共感しちゃうのは小野くんで、彼のことはどうしても嫌いになれない。
自分から電話を切れなくて「そっちから切って」とか
別れる間際に「一瞬でもいいからあの先生より好きだったときがあったか教えてほしい」とか
ほんとに好きなのに、ものすごく苦しそう。


泉も葉山先生も苦しそうだったけど、好きな人と共有できる苦しさはきっと至福の苦しみなのでしょう。

改めて読むと、葉山先生はほんとずるいんだよね。受け入れられないくせに、手放すこともできなくて泉を檻に入れてる。
でも、捕らえられてることも、檻の鍵があいていることもわかっているのに出て行かないのは、ほかでもない泉本人で。
きっと泉にとっては極上の檻なんだ。


ずっと先生と生徒だったし
体の関係も一度しかなかった
キスすら数えるほどで
でも、なぜかわかりあえてしまう

「なにか私にできることはありますか。なんでもします」
「僕が一緒に死んでくれと言ったら」
「一緒に死にます」

何も与えていないのにここまで愛が大きくなってしまうことなんてあるんだろうか。
不思議だけど素敵です。

レビュー投稿日
2012年7月27日
読了日
2012年4月1日
本棚登録日
2012年4月1日
4
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