名作絵本「100万回生きたねこ」のオマージュ、13人の作家による短編集。一冊の絵本を基にそれぞれ寄稿されているのに、まったく違う切り口であったりするから面白い。
角田光代さんの「おかあさんのところにやってきた猫」、唯野未歩子さんの「あにいもうと」、女性らしい感性で描かれたこの2つの作品がわりと好き。
ペットになる猫は寿命も長く、病気や飢えの心配も少ないから幸せだ、というのは人間の一方的な考え方。猫にも人間のような複雑な感情があったなら(という時点で人間のエゴ丸出し)、うちの猫たちにとって幸せってなんなんだろう・・・そんなことを考えさせられる「おかあさんのところにやってきた猫」。それはまるで母と子の関係でもあるようで、身に覚えのある気持ちと、これからが不安になる気持ちが混ざり合った。
大好きな作家である町田康氏の「百万円もらった男」も最高だった!猫一匹たりとも出てこんし!あんだけ猫エッセイ書いてるのに!なんなん!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
現代文学
- 感想投稿日 : 2016年1月27日
- 読了日 : 2016年1月27日
- 本棚登録日 : 2016年1月26日
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