暗くて、重くて、また難解で、ページを繰る手がなかなか進まなかったけど、知っておくべき事実が多く書かれていた。
「戦争は悪」漠然と考えていた。
地上戦の悲惨さ、原爆の恐ろしさ、特攻隊など犬死した人が多くいることなど、よく聞く戦争の話はあるけど、それを画策した政治家や作戦を立てていた軍人がいたこと、またその人たちの運命まで考えたことがなかった。
その人たちにとっては一口に戦争が悪なのではなく、「敗戦が悪」なのだ。
俘虜となり、11年間も(!)人間として扱われないなんて、気が狂わずにいるほうが難しいだろう。
その描写は生々しく、まるで著者はその様子を具に見て描いたのではと思うほど。
過去は変えられないけど、将来は変えられる。
過去を学ぶのは、反省するためでも暗い気分になるためでもなく、将来ほんの少しでも過去より賢い選択をするため。
こういう本こそもっと世に知られるべき。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
現代文学
- 感想投稿日 : 2015年6月16日
- 読了日 : 2015年6月16日
- 本棚登録日 : 2015年6月13日
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