今まで読んだ池井戸作品は、主人公が社長ばかりだった。つまり、結構年いっておられる、企業経営のトップの視点から展開される話が主だったんだけど、今回の主人公は、ぴちぴちの25歳!!おお、親しみが沸く。
後半、ぴちぴちの25歳、平太くんよりも、めっぽう仕事のできる男、西田さんのほうが活躍してた気がする。まあ、池井戸作品は、仕事のできる男が前に出るからな。キャラが一人歩きしたのかも。
それにしても、今回も絵に描いたような勧善懲悪。悪役キャラはとことん悪く描写され、最後、やつらは必ず地獄に落ちる。園田さんは、そこまで性格悪く描かなくてもいいのになあ、と思った。むしろ、萌と距離が空いても、まったく平気な平太の方が冷たいやつだなあ、と思った。あと、平太、帰るの遅すぎる・・・
サラリーマンは、部品そのもの。いなくなれば、新しい部品がそこに収まる、か。うん、そうなんだよな。そうやって、この世は動いているんだから。今回は、ただ、スカッとするだけでなく、自分に置き換えられる要素が多いせいで、ずーんと重い読後感だった。歯車であることを、受け入れた上で、自分の進退を決めていかないといけない。サラリーマンは、歯車だけど、意思を持った戦士なんだから。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
池井戸潤
- 感想投稿日 : 2012年9月12日
- 読了日 : 2012年9月9日
- 本棚登録日 : 2012年9月12日
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コメント 1件
bluebird-ryuryuさんのコメント
2012/09/13