ツナグ

4.00
  • (441)
  • (703)
  • (363)
  • (34)
  • (5)
本棚登録 : 3445
レビュー : 648
著者 :
HNGSKさん 辻村深月   読み終わった 

 生きているうちに、一人だけ死者と会うことができる、その窓口「使者(ツナグ)」。
 生きているものは、使者を介して、たった一人、たった一晩、会いたい死者に会うことができる。憧れていたアイドルに、母親に、親友に、婚約者に、生者は会いたいと願う。

 会いたいと願う人がいて、会うことが実現する。そこにドラマが生まれるのは、いわば当たり前。この作品のすごいところは、「使者(ツナグ)」自身にも焦点を当てたところだと思う。死者とつながれる人なんて、この世の人じゃないんだろうと思っていたら、使者である彼は、普通の男子校生徒。
 生者が死者を呼び出すなんて、傲慢なことではないのかと考えあぐねる歩美くん。ただ、憧れのアイドル、サヲリに会った後の平瀬愛美が、まるでサヲリのように生き生きとしているのを見た彼は、自分の考えを改める。

 「死者を、自分の生に活かす。その生者のわがままは、肯定されてしかるべき感情だ」、と。

 死んだ人の時間はそこで止まってしまう。けれど、生者である私たちの時間は流れ続ける。私たちは、傲慢に、図太く、生きていくしかない。

 そして、私は死んだ後、誰かに呼ばれるような、そんな生き方ができているのかな。

レビュー投稿日
2013年1月17日
読了日
2013年1月12日
本棚登録日
2013年1月17日
9
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『ツナグ』のレビューをもっとみる

『ツナグ』のレビューへのコメント

猫丸(nyancomaru)さん (2013年1月21日)

「そんな生き方ができているのかな。」
そうありたいですね。
読む前は、逢いたい人のコトを思い浮かべましたが、、、
話を変えて、映画で歩美役を演じた、松坂桃李はピッタリだと思いました。。。

HNGSKさん (2013年1月22日)

にゃんこさん>>私も、この作品を読んでいて、樹木希林さんと、松坂桃季くんが出ては消え、出ては消え、しました。ピッタリですね。

コメントをする場合は、ログインしてください。

『ツナグ』にHNGSKさんがつけたタグ

いいね!してくれた人

ツイートする