色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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レビュー : 2264
著者 :
HNGSKさん 村上春樹   読み終わった 

 よくもまあ、ここまでこねくり回した文章を散りばめられるもんです。すごい。ある程度の覚悟と自覚がないと、村上春樹は、読了できないかも、と改めて思いました。テレビや新聞で、「村上春樹の新刊出ますっ!!」て話題に上がって、ノーベル文学賞受賞に一番近い日本人作家って言われている人で、この人の新作を読まないとは、本読みの名折れでしょう、と思って読みましたが、それにしても、メタファー多っ!!もっとシンプルでもいいのでは?と、凡人の私は思ってしまいました。

 赤松、青海、白根、黒埜。アカ、アオ、シロ、クロとそれぞれ名前に色を持つ4人と友人になった多崎つくるは「乱れなく調和する親密な場所」を5人で築き上げる。可能な限り5人で一緒に行動し、そこに色恋を持ち込まない。乱れなく調和する共同体を存在させ、それを存続させるために。彼らの間に生じた特別なケミストリーを護っていくために。風の中でマッチの火を消さないみたいに。
 すべてが隠喩に彩られた、世界。
 なぜに、つくるだけが放り出されたのか。あの完璧な調和から。
 一人、夜の冷たい海に船から放り出されたかのように。

 私のレビューまで、村上さんに染まってしまう。これが、村上マジックですか。
 
 いやいや、なぜ、灰田も、突然つくるの前から消えたのかが疑問。灰田のお話に出てきた緑川はファンタジーだったにしても。

 国語のテストに出てきそうなくらい、読み手を惑わすこの文章。けど、読み終わった後の、この達成感は、何なんでしょうか?

レビュー投稿日
2013年6月10日
読了日
2013年5月25日
本棚登録日
2013年6月10日
16
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