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本棚登録 : 320
レビュー : 39
著者 :
ayapapayaさん  未設定  読み終わった 

大きく二つの人間の感情があった。

一つ目は、傍観者の利己主義。
他人の不幸には同情はするものの、幸せになると素直に喜べない、もう一度不幸に陥れてみたいような気にさえなり、消極的な敵意さえ抱くようになるという、人間の矛盾した感情。

人間はそういう気持ちを持っているものだと知るだけで、自分を守ることができると思う。

二つ目は、デリケートに出来た自尊心を傷つけられる事による自己喪失。

鼻を短くするため頑なになり、人となりまで変わってしまう僧だが、最後は結局長い鼻に戻って安心する。
そんな僧のデリケートさが伝わってくるのか鼻などは気にかけないと云う風を装う所。

自尊心を傷つけられると、つい反応し迷走し苦しくなる。ただ、一つ目の感情により、他人はどちらにせよ自分の自尊心を傷つけてくるものである。他人によって自尊心を傷つけられ苦しむ人は、どんな改善を試みても結果苦しむのだと思う。自分はそれで良いんだと受け入れる方が良い気がする。

レビュー投稿日
2018年5月2日
読了日
2018年5月2日
本棚登録日
2018年5月2日
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