桜の森の満開の下・白痴 他十二篇 (岩波文庫)

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本棚登録 : 1149
レビュー : 105
著者 :
ぶらっくほーるさん  未設定  読み終わった 

男は寂しかったのだ。そういう印象を受ける。寂しかったから、孤独だったから賑やかな桜の下が怖かったのだ。ちがうだろうか。
男が都を退屈だと思った気持ちがわかる気がする。私も街を歩くとき退屈だと思ったことがある。お喋りが退屈だと思ったことがある。毎日毎日同じことの繰り返しで退屈だと思ったことがある。人は冷たいものだ。だがなぜか、自然は温かい。男が都を退屈だと思い、山を恋しく思う気持ちがわかる。
女は本当に鬼だったのだろうか。今、改めて考えてみると、女は男の心の中の残酷な部分を表していたのではないかと思う。つまり、女は男の一部だったのだ。都に行って男の心は明らかに何かが変わった。すると、女も男に涙を見せ、明らかに様子が変わった。男は自分の心に、この女の様な残酷さを持っていたため、桜の下に行くのが怖かったのだ。だって、桜はきれいで清らかだもの。
納得だ。自分なりに納得した。
私は満開の桜が苦手だ。寂しいとかでなく、やけに焦って落ち着かなくなるのだ。桜の花がきれいすぎて疲れてしまう。この時をどうすれば一番いいのか分からなくて、途方に暮れてしまう。もし、私が桜の下で心穏やかに過ごすことが出来たとき、心に何らかの変化が起きたといえるのだろうか。そもそも私が桜をここまで苦手に思う原因は?来年の春、実験してみよう。

レビュー投稿日
2012年11月4日
読了日
2012年11月2日
本棚登録日
2012年11月4日
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