人間失格 (新潮文庫)

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本棚登録 : 15905
レビュー : 1940
著者 :
山本 あやさん ■ 太宰治   読み終わった 

太宰の思想と人生、祈りが色濃く反映された
自伝的小説「人間失格」。

「恥の多い生涯を送って来ました。」
あまりに力強いこの一文だけで圧倒される。

人生の本質や普遍的な人間の罪、弱さ、
愚かしさ、美しさ、愛情、恐怖を
すさまじいまでの集中力で落とし込み
苦悩と解放の間でもがき書ききった太宰。

根拠のない自己肯定のできる人間たちに戦慄し、
傲慢の醜悪さに苦い思いを抱く。

苦しみから逃れ、享楽的に生きることの
愚かしさを人生を持ってして示し、
暴力的な時代への嫌悪を嘆き、
実体のない世間へと祈りを込めて矢を放つ。

麗しくも恐ろしきは浮世なれ。
人の世を憂い、時代に絶望しながらも
それでも生涯求めてならなかった人間への
長い長いラブレターに思えた。

レビュー投稿日
2014年6月19日
読了日
2014年6月19日
本棚登録日
2014年6月19日
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