パンとスープとネコ日和

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本棚登録 : 965
レビュー : 182
著者 :
山本 あやさん ■ 群ようこ   読み終わった 

積読していたけど、ドラマが始まる前に読んでおきたい!と読了。

大好きな群ようこさんが書いたおいしい食べ物とネコときたら
すぐにでも読みたいぐらいだけど、ネコのたろちゃんの結末が
悲しい方向なのを知っていたので、
読もう!という気持ちがどうしても挫けてしまった。

お母さんが遺してくれたお店を改装して、修道院のように簡素な空間で
安心できる食材を使って、おいしいパンとスープのお店を出したい。
そんなコンセプトを元にオープンした、
壁にすっきりと柱がのびているお店「āエー」。

大きな木製のテーブルに椅子、乳白色や淡いベージュで揃えられた食器、
テーブルの上には生花がちょこんと飾られるアキコさんのお店。
お店の上にある自宅スペースには唯一の家族、ネコの"たろちゃん"。

母の経営していた食堂の常連客だったおじさんたちがわいわいと集まる
憩の場を失くしてしまっていいのか…とぐるぐると葛藤しつつも、
自分なりの店を作っていこうとするアキコさんと
気働きのできる優しくて明るい唯一の店員さんのシマちゃん。

閉鎖的な商店街では良しとされない難しい部分もあったり
自分のコンセプトと店の現状に悩んだりしつつ、
料理専門学校をしている先生や、確証は持てないけれど
たぶん血の繋がりがあるであろう優しい人たちとの触れ合い、
何よりいつも心からの癒しと元気をくれたたろちゃんの優しさや
来てくれるお客様への感謝のキモチに支えられるアキコさん。

食べるということ、いただくということ、アキコさんなりの
食事への想いと祈りを感じる食堂のメニューはどれもステキで
かもめ食堂のように穏やかで清潔な空間が浮かんでは
空想することの幸せをめいっぱい噛みしめる。

たろちゃんとのお別れは、天国に旅だってしまった
家族猫たちを思い出して苦しくて涙が止まらなかった。
過ぎていく時間はそんなに優しいものではなくて
時間がたつにつれ苦しさが増していくアキコさんが
読んでいてほんとに辛い。

悲しみは逃げることも、時間が解決してくれたりもしないけれど、
時には心のままに泣いたりしながら、ずっと心に大切に抱えて
いきていこうと悲しみのど真ん中で顔をあげていく
アキコさんに少しでも多くの笑顔が訪れるといいなと願った。

ドラマではたろちゃんの話もどうなるのか、できれば
元気でいてくれたり…なんて逃避的な希望を願ったりしつつ[´ー`;]
優しいスープとパンの景色がドラマで見れるのが楽しみ。

レビュー投稿日
2013年7月5日
読了日
2013年7月5日
本棚登録日
2013年7月5日
9
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