われ反抗す、ゆえにわれら在り――カミュ『ペスト』を読む (岩波ブックレット)

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  • 岩波書店 (2014年6月5日発売)
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徹底的に、でも注意深く、信仰の世界から人生を切り離して見つめたカミュ。

不条理な災いが圧倒的な力を持って社会を襲う時、無力な人間は神の沈黙を意識せざるを得ない。

そしてその沈黙を認識できる人にとって、キリスト教的な救済などなんの役にも立たなくなってしまう。

わたしも信仰を持っている。でもわかる。今よりもっと封建的で、雁字搦めのカトリックの世界で、信仰を持つこと自体が記号化し実体を保てなくなっていたことを。

不条理が目の前に立ちはだかる時、神だけを盲目的に頼る信仰は破綻する。実際に多くの疫病は人間の手による努力無しに解決できたのではない。
日本では信仰を持った上でカミュを読むなんてなかなかないかもしれないけど、わたしはとても個人的な深い興味とともに彼の作品や研究書を読んでいる。

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感想投稿日 : 2021年10月14日
本棚登録日 : 2021年8月26日

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