それでも町は廻っている 2 (ヤングキングコミックス)

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本棚登録 : 1608
レビュー : 58
著者 :
エイトさん コメディ系   読み終わった 

1巻でふざけた話を繰り広げたあと、次巻では一転してシリアスな「死」をテーマに持ってきた。単なるギャグコメマンガ路線じゃないんだと思った2巻。あの1巻は見間違いだったのか…?

唐突に描かれる歩鳥の死。あとがきでは、この回について「歩鳥がいなくても町は営みを続ける」と語られる。ちょっと淡白なこの考え方には共感するものがあり、この一言に対していろんなことを考えた。一人の人間の小ささ、それから「死」というものが常に日常の裏に背中合わせに存在していること。

「それ町」では、歩鳥や商店街の人たちの日常が描かれる。何てことない毎日でも、楽しかったり辛かったり。とても語りつくせないような人生が一人一人にある。その一つ一つ、みんながキラキラと輝かしい。その反面、たとえその一つが今失われたとしても、いつもと何の変わりもなく「それでも町は廻っている」。だからこの回のタイトルは、作品名「それでも町は廻っている」そのものが付いているのだ。

何気ない日常を扱う作品だからこその静かな説得力がある。作品名になっているということは、この巻だけでなく全編通してのテーマなんだろう。力みなぎる「生」をコミカルに描きながら、タイトルに「死」の存在を意識させる。天国の設定は、石黒先生のあの世観。「死んだら無になるかもしれない」恐怖への救済として、現世的なあの世を描いてくれて、じわじわ感じる恐怖感が少し和らぐ。あとがきで石黒先生が歩鳥に対して「死んだ」と言わないところも気配りかな。それにしても、1巻との落差がすごい。

この回は強烈なインパクトだったけれど、他は普段ののほほん日常パート。残りを読んでいくうちにちょっと落ち着いた。この話の収録が巻末でなくて良かった(笑)巻末は、おまけ描き下ろしの歩鳥&紺先輩のお弁当at屋上。この組み合わせのやり取りが微笑ましくて。腐ではないけれど、紺先輩に少女マンガの彼氏感があふれているように見えてやまない。

レビュー投稿日
2015年12月30日
読了日
2015年11月16日
本棚登録日
2015年11月16日
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