玄奘西域記〔小学館文庫〕 (1) (小学館文庫 すA 1)

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  • 小学館 (2000年1月15日発売)
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感想 : 10
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これは、三蔵法師のお話で一般に知られている話とちょっと違います。が文献によるとこれが本当だそうです。三蔵法師=悟空だったんですね。
一般に言われる三蔵法師はお兄さんで根っからの仏のような人です。しかし、途中、病に倒れその志を継いだのが通訳としてついていってた弟の玄奘なんです。この玄奘がえらく強い野生児だったそうです。その玄奘が経典をもって帰ってくるまでの話です。
ちょっと読み直したので、追加感想を。
登場人物が他に、突獗のハザクというのがいて、このハザクと玄奘との友情物語でもあるんですよ。
登場当初は、二人ともおまけ的存在に悩んでるんですね。同じ境遇にあるからかお互いのことを気遣い互いに相手のためなら命も惜しくはないと言うくらいの絆を築くまでになるんですよ。常に相手のことを思いやり、相手のことを一番に考える。最後は、ハザクは突蕨の王となり、玄奘は唐に経典を持ち帰るという生きる道が違ってしまうんですが、たぶんこの二人は死ぬ直前まで、お互いのことを一時も忘れたことはなかっただろうと思います。
本当の西遊記にはこのハザクの存在はないんですが、このハザクがいなかったらたぶん途中で終わってしまっていたことでしょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 諏訪緑
感想投稿日 : 2005年5月12日
読了日 : -
本棚登録日 : 2005年5月12日

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