好著だった記憶があるので再読。著者自らの経験に基づき、のびやかに思考するためのコツが平明な語り口で開陳されている。
とんでもないロングセラーということが、「時の試練」を耐え得た良書だという証明だろう。
一般に、「思考する」とは、その時の自分の頭だけで考える「能動的な」行為だと思いがちだけれど、アイデアを寝かせることがいかに重要かを著者は説いている。まるで他力本願のようでもあるが、寝かせたアイデアは不思議と発展し、洗練されている。思考が発酵のような過程をたどるところが面白い。この他、グライダーと飛行機の例えやアイデアがひらめきやすい三上(馬上、枕上、厠上)など、思考のヒントが満載。
こういうことって他人に教えたくはないと思うけれど、惜しげもなく語られている。著者のサービス精神に感謝。または未だ語られていない思考のコツがある?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2018年6月18日
- 読了日 : 2018年6月18日
- 本棚登録日 : 2018年6月18日
みんなの感想をみる