思考の整理学 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房 (1986年4月24日発売)
3.70
  • (1758)
  • (2740)
  • (2703)
  • (518)
  • (136)
本棚登録 : 33271
感想 : 2774
4

好著だった記憶があるので再読。著者自らの経験に基づき、のびやかに思考するためのコツが平明な語り口で開陳されている。
とんでもないロングセラーということが、「時の試練」を耐え得た良書だという証明だろう。
一般に、「思考する」とは、その時の自分の頭だけで考える「能動的な」行為だと思いがちだけれど、アイデアを寝かせることがいかに重要かを著者は説いている。まるで他力本願のようでもあるが、寝かせたアイデアは不思議と発展し、洗練されている。思考が発酵のような過程をたどるところが面白い。この他、グライダーと飛行機の例えやアイデアがひらめきやすい三上(馬上、枕上、厠上)など、思考のヒントが満載。
こういうことって他人に教えたくはないと思うけれど、惜しげもなく語られている。著者のサービス精神に感謝。または未だ語られていない思考のコツがある?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年6月18日
読了日 : 2018年6月18日
本棚登録日 : 2018年6月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする