教育から政治から、あらゆるところに洗脳が使われているということについては同意できる。
オウム真理教による洗脳がオドロオドロしい特別のものではなく、誰にでもその洗脳に陥りかねないということも有益である。
しかしながら、「気」の説明はオカルティックで今ひとつ理解できないし、それこそ筆者に洗脳されているような気持ち悪さがある。仮想通貨の話も唐突で、本書の主旨からズレているのではないか。仮想通貨と銀行の話は書を改めて述べるべきだ。
ちょっとまとまりに欠ける一冊。

あと、紙の本で検索されないのは何故だ?

2021年4月18日

読書状況 読み終わった [2021年4月18日]
カテゴリ 社会学

社会心理学に基づいた効果的な手法を「強さ」と「温かさ」という観点から整理した書。
キーワードに固執しすぎて、こじつけのような展開が多いのが残念。内容自体は間違ってないと思われる。もっと良い社会心理学の本はたくさんある。

2021年3月20日

読書状況 読み終わった [2021年3月20日]
カテゴリ 心理

「こうすれば、子供が思い通りに動く」
「部下が自分から動くようになる方法」
みたいな本は溢れているが、それらで不満なのは「相手と一緒に目標計画を立てよう!」みたいに、結局は相手の動きにお願いしなければならない方法が含まれていること。
それができれば苦労しねーんだよ!とツッコミたくなるものばかりである。

この本の一線を画しているのは、どこまで行っても、全て自分の言動のみにフォーカスしている点だ。そのため、ものすごく回りくどくて、手のかかる手法も含まれている。しかしそれは真理だと思う。そこまでやって、初めてほんとうに他人を自ら動かすことができるのだろう。

2021年3月7日

読書状況 読み終わった [2021年3月7日]
カテゴリ 心理

この手のアンガーマネジメント系の本はいくつも出ており、基本的に対策手法にあまり違いはない。
しかしこの本の最終章にある「負の怒り」を「正の怒り」に変える、というのは、少し他の書とは違う。リフレーミングの一種なのだろうが、「怒り」に対するリフレーミングの手法としては具体的で的を射ている。ただ、ネーミングを「負の怒り」としてしまい、意味をとらえづらくしてしまっているのが残念。

あとがきによれば、編集者に文章をかなり直されたらしい。この筆者の他の著書は確かに文章が読みにくく、分かりづらいヒドイものが多い。しかしこの本はたいへん読みやすく書かれている。編集の偉大さを感じた。

2021年1月30日

読書状況 読み終わった [2021年1月30日]
カテゴリ 心理

9章からが本番。
それより前の章は「人間には自由意志があるといえるのか」「人間至上主義からデータ至上主義に遷移した後、人間はどういう存在になるのか」を推測していくための、そもそも自由意志とは何か、人間至上主義とは何か、といったことを事細かく定義づけることに大半を費やしている。
だから、8章までは、ほんとうに面白くない。

9章からようやく面白くなるけれど、未来予測というのはどんなに精密に考察しても、数あまたあるSFの中の一説くらいにしかならないのだなあ、という感想しか残らなかった。

2021年1月24日

読書状況 読み終わった [2021年1月24日]
カテゴリ 哲学・思想

途中、「人間と他の動物を隔てるものは何か」ということの推論にかなりのページを費やしている。特に、「動物に意識というものが無い、となぜいえるのか」を延々と論じている。つまり、「読者の多くは、動物は意識や自我を持たないとお思いでしょうけれども」という共通認識があることを前提に議論が進んでいく。
日本人は、他の動物が人間と同じように意識や自我を持っていることについて、比較的すんなりと受け入れていると思われる。しかしキリスト教やユダヤ教の人たちは、そうしたことを受け入れない、人間は動物とは違う、という意識が強いのだろうと、改めて認識させられた。
(なおここで言う人間とは自教徒のことで、他の教徒や有色人種は動物に含まれる。そういうのが無意識でもう根付いているのだろう。)

本書は結論として、人間と動物を隔てているものは、客観的現実と主観的現実の間にある、「共同主観的」現実を持っていることだという。これはサピエンス全史で言うところの「妄想」と同じ意味だろう。こういう共同主観的現実を理解できることで、宗教や貨幣や組織というものを共有することができるようになった、他の動物よりも多くの個体同士で協力体制を築くことができるようになった、と。さらに、「物語」を作ることで、支配者は大衆に疑われること無く支配体制を存続できるようになった、と。
宗教信仰心の弱い日本であっても、ブラック企業に身体を壊すまで勤め続ける人は多い。その統治方法の根源は古代中世の支配方法と何ら変わらないわけだ。

「サピエンス全史」が人類の過去を紐解いたのに対し、「ホモデウス」は人類の未来を予想するものであると筆者は言う。しかし、上巻はまだ、全史の焼き直しにすぎない。最終評価は下巻に委ねよう。

2021年1月24日

読書状況 読み終わった [2021年1月24日]
カテゴリ 哲学・思想

9章からが本番。
それより前の章は「人間には自由意志があるといえるのか」「人間至上主義からデータ至上主義に遷移した後、人間はどういう存在になるのか」を推測していくための、そもそも自由意志とは何か、人間至上主義とは何か、といったことを事細かく定義づけることに大半を費やしている。
だから、8章までは、ほんとうに面白くない。

9章からようやく面白くなるけれど、未来予測というのはどんなに精密に考察しても、数あまたあるSFの中の一説くらいにしかならないのだなあ、という感想しか残らなかった。

2021年1月24日

読書状況 読み終わった [2021年1月24日]
カテゴリ 哲学・思想

社会心理学と行動経済学に基づいた、他人を説得するための具体的行動戦略を示したもの。わかりやすいが、戦略が多すぎて実践で使いこなすのは難しいのではないか。

2021年2月21日

読書状況 読み終わった [2021年2月21日]

ルーティンワークやマニュアルに沿った業務、または営業などの目標が明確な仕事の部署の課長や部長であれば、この本の通りにすると、効率的なマネジメントをすることができるだろう。
しかし、常に新しいアイデアやブレイクスルーが求められたり、次々と前例の無い問題に対処しなければいけないような部署だと、すぐに機能不全に陥るのではないか。
なぜなら「○○はやらなくていい」と、本書で不要と切り捨てている中に、これらの通り一遍ではいかない問題の解決の切り口があるからだ。

目標が単純に分かりやすい仕事なら、そりゃあ、そのために不要と思われることをできるだけ切り捨てていった方が目標達成はしやすい。当たり前のことである。でもそれはマネジャーにとって「やりやすい」「簡単」な方法であって、様々な問題を部下に押し付けてしらんぷりしてるに過ぎない。

現在の自分の立場さえ上手くいけばそれでいい、と考えるイマドキのマネジャーにオススメの一冊だ。あなたの思いと行動を、「識学」というそれっぽい理論(オカルト)で正当化してくれるのだから。

2021年1月16日

カテゴリ ビジネス

ルーティンワークやマニュアルに沿った業務、または営業などの目標が明確な仕事の部署の課長や部長であれば、この本の通りにすると、効率的なマネジメントをすることができるだろう。
しかし、常に新しいアイデアやブレイクスルーが求められたり、次々と前例の無い問題に対処しなければいけないような部署だと、すぐに機能不全に陥るのではないか。
なぜなら「○○はやらなくていい」と、本書で不要と切り捨てている中に、これらの通り一遍ではいかない問題の解決の切り口があるからだ。

目標が単純に分かりやすい仕事なら、そりゃあ、そのために不要と思われることをできるだけ切り捨てていった方が目標達成はしやすい。当たり前のことである。でもそれはマネジャーにとって「やりやすい」「簡単」な方法であって、様々な問題を部下に押し付けてしらんぷりしてるに過ぎない。

現在の自分の立場さえ上手くいけばそれでいい、と考えるイマドキのマネジャーにオススメの一冊だ。あなたの思いと行動を、「識学」というそれっぽい理論(オカルト)で正当化してくれるのだから。

2021年1月16日

カテゴリ ビジネス

「あれ?俺こんな本書いたっけ?」というくらい、自分が普段から考えて理不尽を感じていた様々な社会の歪みを、丁寧なロジックと信頼性の高いデータを元にして、みごとに言語化してくれた著書である。
従来あった社会の歪みを批判し、新たな「社会的正義」を作り上げてきたリベラルとネオリベラルの立場をとるマスコミや知識人、そしてそれにだらしなく盲従する政治家たちは、そのことによって新たに生み出した社会の歪みを「正しくないもの」「前時代的なもの」「あってはならないもの」として切り捨ててきた。本書では、そうした新たな正義の時代に打ち捨てられ、見放され、虐げられている者たちに光を当てて、その歪みが生まれた構図から丁寧に説明し、放置することで将来起こりうる問題を的確に示している。

自由を認める社会というのは、選択されなかった者を排除しても構わないとする社会である。リベラルでさえ、そうした排除をしている自覚が無いのである。
ぜひ、多くの(自称)知識人や(自称)社会学者に読んでいただきたい。

ただ、ペドフェリアの議論についてのみ、もう少し丁寧な議論をすべきだったと思う。たとえ先天的な苦悩であろうとも、それによって被害を受けるのは抵抗する力を持たない子供なのだから。
ガチ恋おじさんの話も、本著の主張の傾向とは若干異なるような気がする。

2021年2月8日

読書状況 読み終わった [2021年2月8日]
カテゴリ 社会学

この本に、あなたの望む答えは載っていない。
「子供がちっとも勉強しない」
「いつもゲームばっかりしている」
こうした悩みにどうすれば良いか、その方法は書かれているものの、決してあなたが望んでいる解決の方向ではないからだ。

「5つの原則」は、おそらく大抵の子供に当てはまる真実だ。しかしその真相は「子供はしょせん他人、子供のことを親がどうこうすることはできない、子供が自分で決めていくしかない」というもの。

だから、勉強に一切興味の無い子であれば、この本のとおりに実践してしまえば、今後一切、勉強することは無いだろう。

果たして、世の親御さん、特にこういう本にすがろうとしている親に、この原則に従って、手放す(あきらめる、期待しない、と言っても良い)ことができるのだろうか?

2020年12月28日

読書状況 読み終わった [2020年12月28日]
カテゴリ 育児・教育

ショボい。
とにかくショボい。
心理学的に証明されていることをベースにしているものの、「だから、こうすると良い」といった具体的なアドバイスが、どうにもズレている。それを簡単にできないから苦労してるんだろ、とツッコみたいショボいアドバイスに終始している。
こんな小手先のテクニックを覚えても、実践では上手く使えないし、がんばって使ったところで、効果があったかどうか分からないような反応しか返ってこないだろう。

2020年12月20日

読書状況 読み終わった [2020年12月20日]
カテゴリ 心理

8世帯12人しかいない山間の集落で5人が殺された山口連続殺人放火事件。発生当時、報道やネットでは「田舎特有のイジメや嫌がらせがあり、その復讐だった」とまことしやかに語られていた。
裁判では、そのようなイジメ嫌がらせは無く、加害者は村人からあらぬ噂を立てられているという「妄想」をつのらせた結果の犯行であるとして、死刑が確定した。

筆者の丹念な取材の結果、次のようなことが分かった。
①判決のとおり、イジメや嫌がらせは無かった
②村では当時も今も、あることないことの噂話であふれているのは事実だった
③加害者は強い妄想性障害を持っており、犯行時にはほぼ統合失調症患者と同様な症状にあった。

つまり、報道やネットで言われていたことは①は間違っており②はそのとおり、裁判で言われていたことは①はそのとおりだが②は間違っている、というものである。
本書は基本的にこの①②を解き明かしたことを主点においている。

しかし私は、ルポライターとして③をもっと掘り下げてほしかった。筆者の指摘通り、時折世間を騒がせる突発的な大量殺人を犯した加害者の大半は、犯行前からすでに妄想性障害や統合失調症の様相を見せていたことが分かっている。この事件の加害者も、犯行時どころか村に戻ってきた頃からすでに障害の兆候が現れていた。しかし限界集落ゆえに、ただしく支援や福祉につながることもなく放置されてしまい、また対象となる人間関係がかなり限定されているため、同じ相手に日々敵対的妄想を募らせてしまうことになったのだろう。

ところが同じ障害・病気が最大の原因でありながら、事件ごとの報道のされ方や政治的背景によって、死刑になったり無期懲役になったり、時には無罪となったりと、裁判官の思想と嗜好で好き勝手に判断されてしまっているのだ。
埼玉で起きたペルー人による大量殺人は無期懲役となったのに、この事件は死刑である。どう考えても不合理であろう。死刑という重大な国家権力の行使において、まったく一貫性が無いのである。これはとても恐ろしいことだ。(なお、私はどちらが正しいと言っているわけではない)
ほとんどの大量殺人事件の背景に、精神障害や被虐待体験があることは厳然たる事実だ。この手の話は差別が絡むのでどうにも正しく報道されないことが多いが、ぜひ、今後も切り込んでほしい。

ルポとしては構成や文章がかなり甘く、蛇足による水増しも多いので、星3つ。

2020年12月13日

読書状況 読み終わった [2020年12月13日]

女性の格好をして女性のコミュニティに属している男性による、男性に向けた「女性はこう思ってるんですよ」を紹介した本(だと思う)。
女性と深くわかりあえる元?男性だからこそ、「女性自身ですら気づいていない女性のホンネ」みたいなものを炙り出して紹介してくれるかな?(あわよくば女性の上手い口説き方が分かるかな)と期待して読んだ。残念ながら「当たり前のこと」しか書かれていなかった。
アマゾンレビューでも、女性レビュアーによる「そうそう、ほんとそうなのよ、女はこう思ってるのに男は分かってないのよ~」みたいな書き込みが多く見られたから、「女性の気づいていないホンネ」はやはりまだ語られる機会は少ないのだろう。
いやね、本書に書かれていることは男も分かってるんだよ、頭では。文字面として理解していることばかり。だから一読するだけでは「はあ、当たり前のことじゃん」としかならない。これは期待はずれだったか・・・。

しかし、改めてじっくり読んでみると、待てよ、頭で理解していても、それがほんとうに自分の行動や言動に正しく反映されているだろうか、と省みることしばしば。こういう当たり前のことを、大人の男性向けに分かりやすく諭した本というのは、実はありそうであんまり無かったのではないか。
この手の本を女性が書くと、攻撃的で説教臭くなる。男性が書くと、ほぼ言い訳や正当化で終わる。だが本書は元?男性が書いただけあってか、自分の過去の反省を踏まえて、ような書き口なので、説教臭さがあまり無い。そのせいか、反発心なく素直に自分の行いを改めて見直すことができたのだと思う。

当たり前のことを、頭で理解するだけでなく、きちんと言動に反映することの難しさを認識させてもらった。
それでも個人的な嗜好から星は4つ。

2020年12月6日

カテゴリ 心理

タイトルがよくない。
「エリートに負けない」とあるから、どれだけハイレベルな仕事テクニックやマインド論が書かれているかと思えば、どれもこれも仕事をする上で基本的なことばかり。基本的なことであるからこそ、外資系やら有名大企業やらに限らず、中小企業や公務員でも、当然に役立つ内容だと思う。
この本が優れているのは、よくある「ビジネスの基本」「社会人1年目の教科書」みたいな本にはあまり書かれていない、本当の仕事の基本(社会の真実)がいくつか解説されていることだ。たとえば

・相手の言うことが変わったときは、相手のニーズが変わったことを意味する

・自分で考えろと言われて自分でやったら「なぜ勝手に判断した」という超展開が起こる

などである。建前論や奴隷論、意識高い論ではなく、こういう人間の普遍的真理に基づいた仕事術こそ、ほんとうに使える仕事術だろう。

20代前半の若い社会人におすすめ。40代以降だと今更のことばかりで、だからといって慌てて身につけるような話ではなく、身についてなければそれはそれで構わない。

2020年12月6日

読書状況 読み終わった [2020年12月6日]
カテゴリ ビジネス

タイトル詐欺。
「あなたたちが仕事に縛られない生き方をするにはどうすればいいか」という本ではない。
「私はこんな経験から仕事に縛られないよう生きてきた」というヤマザキマリ氏の自叙伝である。

世の中の大多数の人間は、「私のように仕事のしがらみや金にとらわれずに生きなさい」と言われても、できないのだ。その能力や体力が備わっていないのだから。
こういうと「できない言い訳するな」と説教されがちだが、これは典型的な生存者バイアスでしかない。ヤマザキ氏は子供の頃からの経験や家庭教育もあって、覚悟をもってこのような人生を歩めたのだろう。そして上手く乗り切ったからこそ、このように成功経験として堂々と語れるのである。

壮絶な人生の自叙伝にとどめておけば、軽妙で読みやすい良質のエッセイだった。しかし併せて働き方に悩む人たち向けの指南書として書いたことで、たとえ目指す方向性が違っていても、胡散臭い宗教指導者や、意識高い系のベンチャー経営者の書く本と何ら変わらないものになってしまった。
ヤマザキ氏はお金にこだわるべきではないと主張しているが、それは稼ぐことにこだわっている経営者と、メンタルや方法論に何ら違いが無い。目指す方向が異なっているにすぎない。一般の人が能力的にとてもできないことなのに、まるでそれこそが正しい生き方であって、皆もそうすべきだと啓発してるのだから。

その矛盾に自覚することなく、作者はこれからも突き進み、自分こそが正しいのだと、語り続けるのだろう。

2021年1月6日

読書状況 読み終わった [2021年1月6日]
カテゴリ エッセイ

企業や所属する社員が何かしらの事故や犯罪を犯したとき、被害者や社会に対して、どのように謝罪をしていけばよいかを示したノウハウ本。
筆者がお笑い芸能事務所での広報担当として実行してきたことをベースにしており、記載されている手法が具体的なため、実際に謝罪をしなければならない企業にとって役立つのではないだろうか。

ただ、時折挟み込まれるギャグやネタは、寒くてダダ滑りしている。

2021年1月9日

読書状況 読み終わった [2021年1月9日]
カテゴリ ビジネス

雑誌やネットに転がっているうわっつらの恋愛マニュアルではない。実践的で役に立ち、かつわかりやすく恋愛テクニックを述べていると思う。
特に、一番最初にある「執着の分散理論」――要は同時に多数の子にアプローチしろ――というスタンスは、間違いなく義務教育で教えるべき最重要事項だと思う。これこそストーカー被害を減らし、また自由恋愛による少子化抑止に必須となる理論だ。同時多数アプローチは女性のためにもなるのだ。まったくその気の無い男から「あなたが世界一好きです」と言われ続けるほどの恐怖はそうそう無いだろうから。

しかし残念ながら、この本はもっとも肝心な理論が抜けている。それは「とにかく行動してから考えろ理論」だ。
世の中で恋愛がうまくいかない男連中の最大の原因は「行動をしないこと」にある。やれ「出会いがない」だの「周りには彼氏持ちしかいない」だの「結局女なんてめんどくさいだけ」だの、やらない言い訳を考えさせたらいくらでも出せちゃうような連中だ。そのマインドこそが非モテの一番の原因であり、そして一番最初に打破しなければいけない課題であることを、当人たちがまず認識しなければならない。
筆者からすれば、そんなのは取るに足らないつまらないことなのだろうけど、非モテ連中に一番大切なのは、この最初の一歩をどう踏み出させるかなのだ。彼ら(俺ら)は怖いんだよ。そうした殻を打ち破る方法論を、ぜひ細やかに示してほしいものだ。

この本は、一歩を踏み出すことのできた段階にいる人が読む本だ。

2020年11月28日

読書状況 読み終わった [2020年11月28日]
カテゴリ 生活

ここ数十年の日本の苦境の原因は、次の3つにある。
①若者の打ち立てるビジネスに対して、十分な投資がなされていない
②需要の高いサービスはいくらでもあるが、そのサービスを必要とする人たちに支払えるだけの購買力が無い
③どんなビジネスをするのにも、行政によるさまざまな法や制約や手続が必要で、その対応だけで時間と人手と利益がすべてふっとんでしまう

この3つの課題をクリアできたビジネス、それが本書で出てくる組織による特殊詐欺だと思う。組織は極限まで効率化され、若い働き手たちは高いモチベーションを持ち、とことんまで高収益を上げていく。こういう若者たちが表の世界で同じように力を発揮できれば、日本はもっと活力のある豊かな国になれるはずだ。

しかし実態はそうなっていない。なぜか。上の3つに上げたとおりである。
したがって我々は次のような、逆のことをすればよいのだ。

①老人を中心に、金のある人達は若者や新しいビジネスに積極的に投資する。
②多くのサービスを必要とする者(小さい子を持つ家族など)に対して十分に給与や行政の補助を与える。
③過去に事故や事件が起きるたびに行政が新たなルールをどんどん追加してきたが、それらが本当に必要なのか今一度考えて、ルールを大胆に廃止する。規制緩和ではなく、ルールそのものを廃止することが大事。

本書は①②の重要性について改めて気づかせてくれる。でもね、①②をすればいいだなんて、そんなことは政治家も官僚も本当は分かってるんだよね。わざとやってないんだ。
そしてその結果、現在の特殊詐欺のはびこる社会になってしまったというわけだ。特殊詐欺の被害を訴える老人を含めて私たちは、自分らが選挙で①②を敢えてしないような政治家を選んでいった結果として、特殊詐欺を実際に許してしまう社会を作ってきたんだという事実を、甘んじて受け入れなければならないのだ。

2020年11月28日

読書状況 読み終わった [2020年11月28日]

途中、「人間と他の動物を隔てるものは何か」ということの推論にかなりのページを費やしている。特に、「動物に意識というものが無い、となぜいえるのか」を延々と論じている。つまり、「読者の多くは、動物は意識や自我を持たないとお思いでしょうけれども」という共通認識があることを前提に議論が進んでいく。
日本人は、他の動物が人間と同じように意識や自我を持っていることについて、比較的すんなりと受け入れていると思われる。しかしキリスト教やユダヤ教の人たちは、そうしたことを受け入れない、人間は動物とは違う、という意識が強いのだろうと、改めて認識させられた。
(なおここで言う人間とは自教徒のことで、他の教徒や有色人種は動物に含まれる。そういうのが無意識でもう根付いているのだろう。)

本書は結論として、人間と動物を隔てているものは、客観的現実と主観的現実の間にある、「共同主観的」現実を持っていることだという。これはサピエンス全史で言うところの「妄想」と同じ意味だろう。こういう共同主観的現実を理解できることで、宗教や貨幣や組織というものを共有することができるようになった、他の動物よりも多くの個体同士で協力体制を築くことができるようになった、と。さらに、「物語」を作ることで、支配者は大衆に疑われること無く支配体制を存続できるようになった、と。
宗教信仰心の弱い日本であっても、ブラック企業に身体を壊すまで勤め続ける人は多い。その統治方法の根源は古代中世の支配方法と何ら変わらないわけだ。

「サピエンス全史」が人類の過去を紐解いたのに対し、「ホモデウス」は人類の未来を予想するものであると筆者は言う。しかし、上巻はまだ、全史の焼き直しにすぎない。最終評価は下巻に委ねよう。

2020年11月24日

読書状況 読み終わった [2020年11月24日]
カテゴリ 哲学・思想

ピンとこない。

モデルが全部同じ人なので、この人と同じような顔・体型の人にしか参考にならない。

ファッション誌全般に言えることなんだけど、顔や体型の良さげな人ばかり使われると意味ないのよ。

俺みたいなのが、「お、ちょっと良く見えるじゃん」といったファッションを探してるのだから。

2021年5月9日

読書状況 読み終わった [2021年5月9日]

新豊洲市場の汚染対策が不十分であったことから端を発した築地市場の移転問題のゴタゴタを、当時の東京都幹部の立場から時系列に振り返ったもの。淡々と事実を列挙する記述のようであって、その実は小池知事とその取り巻きの小島顧問に対してかなり辛辣な物言いをしている。ゴタゴタの原因はこの両者にあったと言っているのだ。つまりこの本は、かつてのボスに対する内部告発なのである。
また、築地市場の仲卸関係者に対しても、彼らがまとまらずに好き勝手言いたい放題だったから、何十年も移転が進まなかったのだと手厳しい。
さらには、かつての仲間である東京都職員にでさえも、知事やマスコミコントロールが不十分であったため余計な混乱をもたらしたと批判している。

人事権のある知事を含めて全方位批判をしたことで、著者は天下り先も失ったようだ。何千万もの収入を失ってでも、このゴタゴタの真相を後世に残したかったのは社会のためか、はたまた自己承認欲求のためだったのか。
だが残念ながら仮に今後、小池知事が失脚しても、この著者の地位が回復することはないだろう。

読みやすくて面白いが、自分だけがマトモに対応した、自分だけが他人を批判することができる、という自分に都合のいいスタンスでの物言いがいただけない。

ところで豊洲の地下に一部盛土がされておらず代わりに地下室が設置されていたことを当時の知事・共産党・マスコミは激しく批判した。だがその真相は、職員が良かれと思って設置しただけだった。過去に事例のない汚染除去対策を何百時間もかけて行ったのに、エンターテイメントのおもちゃにされてもてあそばれた職員たちには同情したい。

2020年11月15日

読書状況 読み終わった [2020年11月15日]

「努力を続けて成功することが正しい」「努力しなかった人間が貧困にあえぐのは自己責任」といった近年の風潮を否定し、他人を労働力として扱いのしあがっていく人は「下品」であると喝破する。
新自由主義が蔓延する世の中というのは、繊細な人達にとって生きづらい。そういう人達のために、心が折れないための考え方や行動についていくつか紹介されている。特に、一番最後に述べられた「媚態」「意気地」「諦め」の3つは、自分の経験からも、非常に有効的な考え方だと思う。

また、自分が常々、社会の不条理と感じていておりながら上手く表現できなかった事象を、「属性排除」「脅迫としての教養」「責任転嫁論」といったワードで言語化されたことは、たいへん有用であった。

量的に物足りなさはあるが、淡々とした筆調でありながら世の悩む人達への冷静な優しさの滲み出る著作である。星5つとしたい。

2021年1月16日

読書状況 読み終わった [2021年1月16日]
カテゴリ 心理
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