レゴ 競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方

  • ダイヤモンド社 (2021年12月2日発売)
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感想 : 34
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シンプルがゆえに深みのあるスルメのような本

特許が切れあれだけコモディティ化した商品を扱うのに高い利益率を誇るレゴ。一つの会社の浮き沈みを丁寧に当事者に会って描いていて、成長企業のドラマとしても、オーナー系企業のマネジメントとしても、マーケティングや組織論のヒントとしても読めます。それでいて経営学者らのインタビューがあるので個々の事象を俯瞰できます。

本全体に通底しているテーマは、あなたの価値は何か。もしあなたが辞めたら会社は何を失うのかーー。これは組織にも個人にもいえますね。冷静なのだけど、熱量が伝わる書き振りも好きです。

この先に知りたいと思ったのは、この会社のパーパスがはっきりしているだけに中国などの人権問題、石油以外の環境問題にどう向き合うのかです。以前は石油メジャーのシェルとの共同プロモが環境団体からバッシングされたなかでやめたり、反中国共産党の芸術家のイベントにレゴブロックを提供せず、現地工場を許可してくれた共産党におもねったと批判されたりしてました。

「きれいごと」を裏表なく貫けるのか、ストーリーづくりがうまくて周りの期待値が高いだけにそれが次のこの会社の壁のような気がします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2021年12月24日
読了日 : 2021年12月20日
本棚登録日 : 2021年12月4日

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