冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

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本棚登録 : 7973
レビュー : 750
著者 :
A(仮)さん *読んだ本2014*   読み終わった 

一作目が予想以上に面白かったので、続けて読んでしまいました。
ドラマではこれが1話だったのですね。

前作に引き続き、密室殺人です。
これは密室殺人シリーズなのでしょうか‥?
前作の舞台となった研究棟は頭の中で想像できたので、理解しながら読み進められましたが、今作は見取図がついているにも関わらず、想像の難しい建物でした。
ほぼよくわからないまま読み進めたように思います。
(見取図に記載されている「床レベル」ってなんだよ…)
つくりがよくわからないことが純粋に楽しむことの妨げになっていたように思いますが、この部屋は中からしか開けられないとか、シャッターは人の目があるから出られない、とか位置関係を無視して考えると理解が進みました。

前作でも思いましたが、犀川の頭が冴え出してから答えを教えてくれるまで、その説明の過程はちょっともったいぶりすぎというか引っ張るなあと思いました。
説明も思わせぶりというか、いいから早く結論を!とじれったくなった部分がありました。
これは犀川というよりは作者の性格?でしょうか。

密室のトリックは面白かったです。殺人を行うための手順もなるほど、と思いました。
それに比べ動機がちょっと軽いかもしれないですね。
もっと木熊教授の自己犠牲による(歪んだ?)親子愛が強調されていると狂気があって私好みでした。
この辺は登場人物が理系というところも関係しているのかもですね(理系=人及びその感情に興味がないというわたしの偏見です)

実験室に閉じ込められた萌絵がPCを立ち上げ、暖をとりつつ、助けを求めるというシーンが好きです。
助けを求めるのはともかく、暖をとるというのがわたしには全く思いつかなかったので、ははあ、頭がキレるというはこういうことか…と感心しました。
わたしにとっては萌絵というキャラクターを表す重要なエピソードなので、ドラマでは確かこのシーンがなかったのが惜しいです。
(犀川が神通力で助けにきた‥みたいになっていたような)

他の小説や映画などでもありますが、犯人の一人称(とそれに近いもの)で観客を導くのはどうかと思います。
"推理"小説と銘打っているのに、そのようにいくらでも隠したい部分を隠せる演出をしてしまうと、観客が"推理"できないですよね。
そうする以外に技術がなかったのかしら‥?とも思えます。
この小説だと、それまで犀川と萌絵の描写だったのが、突然市ノ瀬の描写になったところがヒントだったのかもしれませんが(確かにおや?と思いました。)

前作ではフロッピーが登場して、おお、懐かしいと思ったのですが、今作ではカセットテープも出てきたではありませんか!
shikaのメールを読むところ、95年とあって時代を感じました。

レビュー投稿日
2014年11月10日
読了日
2014年11月10日
本棚登録日
2014年11月10日
3
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