月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

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本棚登録 : 3213
レビュー : 250
著者 :
babapさん  未設定  読み終わった 

3+ 

『黒猫の三角』を読んであること(ほにゃららってふにゃららなんじゃないの疑惑)が気になり、『人形式モナリザ』を読んでその疑惑を深め(ほにゃららのへにゃらら?の存在)、気になりすぎてダッシュで本作に飛びついた(同じ作者を続けて読まないという原則を守り間に1冊挟んで読む律儀さが泣ける)。 本作を読んで、前2作から繰り返されているとあるフレーズにようやく気が付いて、ああこれは、と確信。それ以外にもヒントを小出しし続けている作者の企みが怖い(こっそり詰め将棋を指してるような)。もう焦って続きを読むこともないな、じっくり行こう。というか他にも意味深なことがありすぎてこればっかり気にしていてもしょうがない。

シリーズ長編3作目だが、個性的なキャラクターたちがさらに活発に動き始めた感がある(暴走?)。 特に紫子の言動は秀逸で大いに笑わせてもらった。また新たに阿漕荘に引っ越してきた住人と紫子とのギャップ、コントラストが見事で、物語の構成上、作者はまた大きな武器を手に入れたと言える。

ここまでシリーズ3作を通して共通しているテーマは“認識”か。もしかしてこれがシリーズの大きな軸なのだろうか。興味は尽きない。ただ、本作の物語、というか事件およびその真相は、矛盾なく論理的な説明自体はついているものの、仕掛け自体がいまいち説得力に欠ける強引なもので、また空虚ですらあり物足りない(登場人物の作中作だから、というのは理由にはならないだろう)。 面白さの大半は多分に登場人物たちの個性・魅力のお陰とも言える。それもひとつの作品の持つ力だが、願わくばそれぞれが高いレベルで融合したものに出会いたい。

レビュー投稿日
2013年7月9日
読了日
2013年7月8日
本棚登録日
2013年7月8日
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