ノーベル賞作家であるガルシア・マルケスの講演集。ガルシア・マルケスは「百年の孤独」でノーベル賞を受賞した。彼の話を聞きたがる人は多かったが、彼自身は講演が苦手だったようだ。それでもいくつかの節目で講演を行い、ラテンアメリカの発展のために尽力した。彼の講演スタイルは、まず自身のエピソードを紹介し、その日の聴衆に合わせて見解を述べるスタイルだった。これが彼の持ち味で、聴く人に感銘を与えるテクニックだったのだろう。彼は言葉の力を信じていて、言葉に纏わる面白いエピソードがいろいろ紹介されている。
軍人相手に講演した時の締めの言葉が印象に残った。「あなた方一人ひとりが背嚢に常に本を一冊入れておけば、皆さんの人生はもっといいものになるはずです」
現代の読書好きには当たり前の習慣だけれど、当時のコロンビアの環境、読書習慣のない人達に対して彼の想いが伝わってくる言葉だと思った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2015年1月13日
- 読了日 : 2014年6月20日
- 本棚登録日 : 2014年6月20日
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