書店主フィクリーのものがたり (ハヤカワepi文庫 セ 1-1)

  • 早川書房 (2017年12月6日発売)
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本棚登録 : 1283
感想 : 116
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面白かった。さくさくと読めた。物語の組み立てが素晴らしい。話中に出てくる作家や小説のタイトルが自分のお気に入りだったりして、思わずニヤリ。
ただ、小説として高い評価がつけられないのは、登場人物の掘り下げが浅いから。職業や年齢、学歴、服装などの好みといった設定の中で、台詞や分かりやすい行動でしか描写されない登場人物たちには、それぞれの個性が際立っていない。そもそもフィクリーは偏屈か?こだわりは強いが、単純にいいいヤツではないか、だってマヤには最初からメロメロだし、アメリアにもストレートに恋してしまうし。偏屈な人間が愛に目覚めていくというような紹介があったような気がするが、そのような心の機微は全く表現されていない。
作者の次回作であるところの「天国からはじまる物語」も同じことが言える。しかしながら、この作者は話の組み立てが上手いのだ。最後はまたしても、ぐっときてしまった。あたしもA・Jとアイランド・ブックスが好きだよ!と言いたかった。
あとはほかの評価にも上がっているように、この作品には名言が多い。(~ひとりぼっちではないことを知るために読む~)それと、小さい頃の店でのマヤの様子はとてもとても微笑ましい。(お店は、横が十五マヤ、縦が二十マヤ)
たぶん作者は本だけではなく、子どもも大好きなのでは?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月22日
読了日 : 2023年1月22日
本棚登録日 : 2023年1月16日

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