戦争とフォト・ジャーナリズム (岩波フォト・ドキュメンタリー世界の戦場から 別)

  • 岩波書店 (2004年8月4日発売)
3.72
  • (4)
  • (5)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 31
感想 : 5
4

フォトジャーナリズムとは何か、キャパ、沢田教一や自身の経験をもとに解説。戦場におけるジャーナリストの重要性が理解できた。
有名な「ナパーム弾の少女」(ニック・ウト撮影)の写真は、「ここで待っていたら面白い場面が撮影できる」と米兵にあらかじめ言われて待機していたジャーナリストが撮ったという事実に戦慄をおぼえる。
「ニックの写真はベトナム反戦運動に大きな役割を果たした。しかしどのような状況の中撮影されたのかは、多くの問題を問いかけている。」
エディ・アダムスのベトナムで兵士が射殺される瞬間を撮った写真も、ジャーナリストに対するサービスで行われたのであり、「カメラが回っていなかったら、このとき男が射殺されなかったのは確かだ。」
ジャーナリストのダークサイドにも踏み込んだ内容には、ショックを受けた。
写真の読み方についても考えさせられる。
もう少し写真が多ければ言うことなしの本だった。
中高生にも読んでほしいな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年12月9日
読了日 : 2012年12月9日
本棚登録日 : 2012年12月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする