短歌は最強アイテム――高校生活の悩みに効きます (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2017年11月22日発売)
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感想 : 18
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悪いけど、私こういう先生はちょっと苦手です。
立派だと思うし、子どもの担任なら良かったね、と喜ぶとは思うが。

学校の先生は普通の倫理観があって、(特に中学以上は)授業がちゃんとしていればそれでよいと言うか、それ以上関わりたくないと思っていた。先生は友達でもライバルでもなく、勉強を確実に教えてくれて、その科目の面白さを伝えてくれて、それでもにじみ出す人柄があたたかければもう十分。
誕生日とかどうでもよい。

まあ現役の先生だから勤務校、生徒、その親、同僚、上司を悪くは書けないのは仕方ないと思う。生徒はみんな真面目で勉強、部活、友情、恋に正面から精一杯取り組んでいる。この本のメインの対象は高校生だけど、その中にはそうでない子どももいるだろう。私がそうであったように、ひねくれてて友達も少なく、部活もせず(部活の上下関係が苦手)、親ともぶつかってばかりの生徒もいると思う。そういう生徒が救いを求めて文学に親しむことも多いと思うが、これを読んだら、ひねくれものにも門戸を開く文学界も、やっぱりこんなものかとがっかりしてしまいそう。

それだけでなく、この著者の書いていることに納得できない。

「子どもが小さいとき、親は文字どおり「保護者」だ。だが子どもが大きくなる中で、親は「保護者」から「頼りになる友だち」へと役割を変える。(中略)そしていつしか親は「頼りになる友だち」から「親友」へとランクアップする。」(P150)

この文章が一番ぎょっとした。私は親と友だちになったことはないし、子どもと友だちになったこともない。親と友だちは別だと思っている。もちろん親と「親友」になる子どももいるだろうけど、それが一般的なのか?大人になって聞いてみたら、十代の頃、親とは仲良くできなかったって言う人は結構いるし、大人になっても親とうまくやれない人もいるる。気は合わなくても、付き合わざるを得ないのが親で、そこが友だちと違って難しいんだと思うけど。そしてそういう鬱屈というか、憂いが物語や詩になることもあると思うけどね。

この人の作風は爽やか(熱血)青春短歌ってことで、短歌は(個人的には好みでないとしても)、これで良いと思うけど、エッセイ部分は、疎外感を感じていた若い頃を思い出して具合が悪くなってしまった。
青春メインストリームにのれないどころか触れもしなかったからこそ、文学に救いを見いだしていたのだけど。
こんな青春が送れるなら特に文学は必要ない気もするが。(純文学は)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月31日
読了日 : 2022年1月31日
本棚登録日 : 2022年1月31日

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